【大紀元日本3月20日】世界自然保護委員会(WWF)は、世界的河川の大部分が、ダム建設または灌漑使用による流水不足が原因で、殆どは海へ還流していないとの警告を発した。報告内容によると、世界の河川1/3だけがまだ水量を保ち流れているが、今後はこれらの数は減少する見込みだという。また、アマゾン河およびメコン河にある希少魚類、インドのガンジス河に生息する淡水イルカが絶滅に瀕しており、一部の地区では、河川が提供できる生活用水も減少しているという。
同委員会は、アマゾン河からガンジス河、ナイル河から黄河まで、これら世界的大河は、水量が先細りする危機に瀕していると指摘、例えば、上流でのダム建設または灌漑により、下流の水量に不足をもたらしているという。また、同委員会淡水関係責任者デカルト氏は、「世界自然保護委員会が、世界の大河177本について研究した報告では、これらの大河中、64本だけが天然手付かずの状態、もしくは源流から一直線に大海まで還流するか、もしくは内陸の湖に注いでいた」と述べた。
同委員会は、ダムによる発電は経済効果を改善し、灌漑は農業生産量を向上させることができるが、政府は河川資源の保護と経済発展の均衡を保っていないと指摘、河川の多くが、数カ国の領土を通過、地区・国家間で同一河川を利用する問題をどう解決するかも目下の急務であるとの認識を示した。
「ニュー・サイエンティスト」誌の記者ピアス氏も、河川資源の問題は国際紛争になり易いと指摘、エジプトとエチオピアが共にナイル河を利用している例を挙げ、仮にナイル河上流にダムを建設したら、両国間に紛争が起こる可能性があると述べ、目下世界では、水資源による戦争が勃発していないが、近いうちに起きる可能性があり、緊迫した情勢との認識を示した。
巨大河川を管理する国際条約がないため、国際法には巨大な漏洩が存在している。
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