【大紀元日本3月19日】米国軍部関係者によると、中共の軍事勢力はメキシコを
グアテマラを視察するクラドック将軍(AFP/Getty Images 2006-1-24)
含む南米諸国に拡張しており、さらにカナダとの経済活動も活発化させている。これは、中共のいわゆる「米国の中共包囲網に対抗する」戦略の一部だと専門家は分析した。
ワシントン・タイムズ紙15日付けの報道によると、米国の南米における軍事活動の最高司令官クラドック将軍(Bantz J. Craddock)は14日、米国の法律が南米諸国への軍事援助を制限しており、その代わりに中共政権が同地域での軍事活動を日々活発化させていると指摘した。
クラドック将軍は米国上院軍事委員会に対し、「我々が南米に駐在せず、その機会を逃せば、他の国家がこの地域へ入ってくる。中共は(南米国家に)多くの利益を提供してきた。いままで米国寄りだった国は、中共に片寄り始めている」と説明し、米国の手落ちは中共に乗ずるすきを与えたと述べた。
中共は、その最高指導部の高官を頻繁に南米へ派遣し、さらに南米の左派政府やその他の国家と緊密な軍事経済関係を築こうとしている。この戦略地域は長年の間、米国の影響下に置かれていた。
クラドック将軍は、2002年に議会を通過した米国軍人保護法(Servicemembers Protection Act)により、米軍による一部の国家への資金と訓練の提供が著しく制限されたことを指摘した。その法案のために南米の11カ国への軍事援助が中止されたと述べ、「その中の一部の国、例えばペルー、エクアドル、ブラジル、ボリビアなどは非常に重要だ」と説明した。
オクラホマ州の共和党上院議員インホフ氏(James M. Inhofe)によると、中共政権はベネズエラのチャベス(Hugo Chavez)左派政権との貿易を開拓し始め、アルゼンチンとは民間用の核製品ビジネスを進めているという。チャベス(Hugo Chavez)左派政権は南米地域に「非常に不安定な作用」をもたらしているとクラドック将軍は指摘している。
中共政権の軍事力拡張には大規模な経済的浸透も伴っている。胡錦涛総書記が去年南米を訪問した後、億ドル以上の鉱物とエネルギーの経済貿易契約が締結された。
しかし中共による武器販売についてはほとんど知られていない。中共政権はこのほどボリビアの左派政権に、新型の両翼射撃の防空ミサイルをオファーした。さらにキューバには軍事設備を提供し、ブラジルとは軍用機能のある衛星の共同開発計画を推進している。
また中共政権は去年ベネズエラにJYL-1型移動防空レーダー3基を販売し、さらに新しいFC-1型ジェット式戦闘機も提供しようとしている。
米国国防省の元情報官ウォーツェル氏(Larry Wortzel)によると、今月始め、中共ミサイル軍事力の精鋭部隊の幹部がキューバを訪問した。この訪問は、キューバがミサイルを入手するのではないかという疑問を呈することとなった。更に、中共政治局常務委員会の委員9人のうち3人が去年メキシコを訪問したという。
中共による南米諸国への軍事拡張や、カナダでの活発な経済活動など同政権による西半球での動きは、北京のいわゆる「中共包囲網に対抗する」ものであるとウォーツェル氏は分析している。