【大紀元日本3月16日】中共中央政治局が先月、拡大会議を開き、「国内情勢は複雑、国際情勢は厳しい」との認識を通達し、さらに国家にとって脅威となる「五大敵対勢力」を発表した。「争鳴月刊」が伝えた。
中央政治局は拡大会議で国内外の情勢を通達
全人代および全国政治協商会議の前日16日、中央政治局は拡大会議を開き、国内外の情勢について通達し、四総、三軍、各大軍区司令官が全員出席した。通達では、経済発展、政治体制改革、党政の見直しを展開し、来年秋に開催される第17回全人代、さらに2008年の政府・人民代表の再選出、北京五輪等に伴い、国内外敵対勢力が活発化し破壊工作をしかねないと予想。現段階は新時代に突入し、社会矛盾が多発しているが、経済社会の発展段階における必然性であり、また、これは各地区にありがちな特殊性で、矛盾の性質は、基本的には人民内部の矛盾である。各種の要素があるので、処理が不適切であれば、矛盾を激化させ、変質させる可能性があり、国家に深刻な危害をもたらし、計りしれない災難を引き起こす恐れがあるとの認識が示された。
五大「敵対勢力」
公布された「五大敵対勢力」は、(1)国際反中・反共集団組織(2)国際敵対勢力組織(国際組織、国内地方組織、42個を列挙)(3)台湾独立派、チベット独立派、新彊ウィグル族独立派の分裂主義勢力(4)邪教、反中・反共宗教勢力(5)海外亡命の敵対勢力組織。
三段階に分け特別警察部隊を編制
会議では、二級省・市の「突発事件処理指導チーム」編成強化を要求、社会における暴動、騒乱を予防処理するため、公安、武装警察からなる特別警察部隊を三段階に分けて編制することで決定。第一段階は、今年の6月末までに、全国の都市・地区36に、第二段階は、2007年9月末までに全国の都市・地区98に、第三段階は、2008年6月末までに全国の都市・地区156に、それぞれ特別警察部隊を編制設立する。特別警察部隊の総編制は暫定20万人、年間予算は228億元とする。
拡大会議の後、李長春氏は、党・政・国家機関副部長級幹部会議で、羅幹氏は中央政法・公安・安全システム局長級の幹部会議で、曹剛川氏が四総・三軍・国防軍事大学の師級幹部会議で、周永康氏が全国省市公安・安全庁(局)・武装警察大隊(長)の電話会議で、それぞれ同議決内容を下達し、必要な手配を行ったという。
五大敵対勢力の活動内容を指摘
李長春、羅幹、周永康の三氏は会議で、五大敵対勢力の活動内容10項目を指摘した。(1)国際社会で「中国脅威論」を形成、中共と周辺国家の仲を裂くよう挑発し、中国の平和的躍進を抑止(2)台湾の独立運動を煽動、国土の保全に挑発し、中共が建設する社会主義中心の戦略に影響(3)チベット独立派、新疆独立派を教唆、国際社会で盛んに活動させ、中共の主権・内政に干渉(4)経済問題を政治化、国内問題を国際化させようとする下心(5)中共の「改革開放」政策を利用し、国内の政治、経済、教育、新聞など、社会の指導領域に浸透(6)社会矛盾を促し、問題を拡大(7)インターネット、郵便・電話などを利用し、中共の社会制度と指導層について誤情報を伝達(8)社会矛盾を激化させ、「反社会制度」「反政府活動」の事件へと変換(9)国内で現政権を転覆する目的の政治組織を設立し、宗教の看板を掲げて政治活動(10)海外で留学生、学者、新移民者を買収し煽動、就職・商売の口実で帰国後、国内で敵対活動。
羅幹、周永康、両氏発言の真意
中共の「学習」、「伝達」などは、実質的な精神を掌握することである。今回の拡大会議が各地区に対して通達した「五大敵対勢力」弾圧の実質的精神とは何であろうか?
実際、羅、周両氏は、複雑な内部矛盾は非常に厄介であり、激化し易くて処理が難しい上、後遺症が残るとした。しかし、外部敵対勢力の浸透、介入があれば、処理しやすくなる。つまり、「国際的反中・反共勢力と結託」というレッテルを貼れば、規則にのっとり、それに対して打撃を与え、社会に公表できるのだ。現在起きている民間の人権擁護抗議は「人民内部の矛盾」であり、合法的・合理的であるため、弾圧はできず、故に「厄介」であるが、彼らが「国際的反中・反共勢力と結託」であれば、堂々と暴力を用いて弾圧できる。
政治局の拡大会議はすでに「新」精神を下達し、今後は公安、武装警察、軍隊も鎮圧任務執行時、羅、周両氏の発言を胸に刻めば、うまくいかないこともないというのであろう。