【大紀元日本3月11日】中国はこれまで、投資誘致の際、海外の投資家に豊富な人材を提供できるとの看板を掲げてきたが、現在人材市場にかげりが現われ始めており、外資企業の経営者は人材競争に追われている。
3月7日のロイター通信電によると、フェデラル・エクスプレス社(FedEx)アジア地区の総責任者デヴィッド・カニンガム氏は先週香港で開かれた人材資源会議で、「中国は挑戦に満ちた国である。能力のある人はすぐ引き抜かれてしまうから」と語った。
離職率を10%以下に維持しようとするデヴィッドにとって、これはとても難しい数字だ。一般的に言えば、離職率が30%以上になると、製品の品質を保つことが難しくなる。
FedEx社は中国のサービス文化を熟知していないため、とても不利な立場に立たされた。現在、香港やシンガポール、台湾から中国人の管理職を採用しているという。中国での会社の成長につれ、同社は優秀人材を確保するために、他の外資企業と争奪戦を繰り広げている。株の高配当で人材を惹きつけるのはよく使われている戦略だという。現在、ますます多くの中国人は海外から帰国しているが、管理職に適する人材は少ないという。
北京のあるヘッドハンティング会社のキティ・チャンは「現在、年齢が38歳から55歳で、成人まで中国で生活し、海外での仕事経験があり、帰国して二年が経ち、中国での生活にすでに慣れた人が最も人気だ」という。
中国の会社はいつも、給料をアップする方法で人材を確保しているが、高い給料は必ずしも人材の流出を防ぐ最善の方法だとは限らない。
前出のカニンガム氏は「多くの人は会社を辞めるとき、給料が原因ではない。上司に不満があれば、すぐ辞めてしまう」と述べた。
一方、中国ではリストラはなかなかできない。福利厚生などは雇用契約に盛り込まれているからだ。米のあるエレベーター製造会社は二年がかかって、やっと余剰人員の削減を実現した。その過程で多額な費用がかかったが、やっと清掃と警備などの仕事を他の会社に委託することができた。
最近、このエレベーター会社は、中国での合弁企業で、単一性の人材資源戦略を打ち出した。給料、職位に対して一元管理を行ない、企業間の人材移動がもっとスムーズに行なわれるためであるという。