【大紀元日本3月9日】(中央社台北7日)中国「九三学社」中央副主席、政治協商会議委員馮培恩は、第10期全国委員会第4会議において、中国地方政府の債務は年を追って上昇するとともに、債務リスクも年を追って増大しており、地方の長期債務は、既に4大危機を内包していると述べた。
香港「大公報」は、馮委員の言葉を引用し、次のように述べている。中国経済体制改革の深化及び“放権譲利(中央政府に集中していた権利・権限を下級政府や企業に移譲すること)”戦略の実施により、中国の各級地方政府は、比較的大きな経済的自主権を獲得した。これと同時に、地方政府の債務も不断に上昇を続け、債務規模は驚異的な段階にまで達している。
数字によると、2001年末時点において、中国中西部10の省区市にある49の県、市の累計債務は163億元に達しており、これは、一年で使用可能な財政力の2.1倍に相当する。2004年の数字について、専門家の推計及び会議において明らかになったところによると、中国地方政府の債務は兆元以上に達しており、このうち、県、郷の2級の債務だけで、5000億元に達しており、これが、毎年200億元のペースで増大している。
馮培恩の見解によると、地方政府のこうした過大な長期負債には、4大社会経済危機が内包されているという。
一.“政績工程(政治実績を目標に実施されるプロジェクト)”が数多く発生している。中国建設部が明らかにしたところによると、中国662の都市、2万余りの編制上の鎮において、約5分の1の都市に“政績工程”が存在し、政府のイメージと信用に損害を与えている。
二.政府の正常な運営に支障をきたしている。中共四川省委組織部が100の郷・鎮を調査したところ、債務負担が重いために、運営ができないものの割合が20%に達していた。
三.地方経済の発展の制約となっている。債務で首が回らなくなり、一部の地方政府は、産業構造の調整や公共プロジェクトに資金を投入する能力がない。
四.社会の安定に影響が及ぶ。地方政府が抱える債務リスクの大部分は顕在化していない。このため、各部門が、リスクを警戒し、解消しようとする意識に乏しく、これが財政リスクの累積及び膨張を加速させており、直ちにこれをコントロールし、有効に解消することができなければ、財政危機を引き起こし、社会の安定に影響が及ぶ。
馮委員の指摘によると、現在、中国地方政府債務の潜在的なリスクは、既に金融
に係るリスクを上回っており、国家の経済安全、及び社会の安定にとって深刻な脅威となっている。地方債務の危機を有効に解消するためには、債務の実情を把握し、償還システムを構築するとともに、債務管理システム、法規の完備及び規律ある起債を行い、債務規模を厳格に管理しなければならない。
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