【大紀元日本3月4日】新華社の報道によれば、中国の土地3分の1は浸食による影響を受け、人口13億に対する水および食糧の供給が脅かされているという。中国の土地は浸食のため、昨年だけで農作物16億トンに相当する土地12・5万キロ平方メートルを失い、長江および黄河両岸はもっとも深刻。中国水利部副部長・鄂竟平氏は「中国の領土面積の約37パーセントを占める360万キロ平方メートルの土地が浸食の影響を受けている」と述べた。
中国の土地流失の問題は、元来少ない利用可能な耕地をさらに減少させた。中国の人口は世界総人口の約21パーセントであるが、利用可能な農耕地は10パーセントしかない。土地の侵食は中国北部で加速、過去10年、ゴビ砂漠の面積は急速に拡大した。中共水源部の報告では、大多数の水と土の流失は過剰開発および不合理な大型建築工事によるものだという。
土地の浸食は長江および黄河が挟む丹江口湖水区が特に深刻。しかし、ここは中共当局が南の主要河川を北部に向けて、毎年水450億立方メートルを輸送する中央中継点のダム建設地。同建設の費用は5000億人民元(約620億米ドル)とされ、2050年に完成予定、世界最大のダム建設工事となる。
同建設が完成すれば、中国の水供給の危機は解決されるであろう。中国国土の平方メートル当たりの水源は、世界平均の4分の1程度で、毎年下降し続けている。中国人3億人超がまともな水を入手することができず、現在の中国経済の規模からすると中国の水使用量は世界基準の5倍であると見られる。
南部水郷地帯の多くには水不足の問題が見られないが、侵食の問題は以前としてあり、広州や珠海など、広東の経済発展地区に水を供給する珠江上流地域は、中国でも侵食が深刻な地域である。中国経済の高度成長が続く中で、種々の数値によれば、中国の環境汚染も同じ速度で悪化している。実際、中国経済の高度成長および人民生活水準が高めたことによって、水、土地および各種エネルギーにかかわる自然資源の濫用も著しくなった。
ハーバード大学『アジア季刊誌』によれば、飲用できない、または魚類の養殖ができない中国各都市を経由している河川は75%であると指摘、6000万人以上が用水に困っていると公表した。また、砂漠化した土地は2001年の900平方キロメートルから1600平方キロメートルまで増えたという。さらに、毎年10%増加している石炭の使用量は空気中の二酸化炭素を増やし、温暖化を促していると分析した。
そのほか、世界中から中国に運ばれてきた家電類、コンピューターなどのゴミが新しい環境問題となった。報道によれば、世界中の家電類ゴミの80%はアジアへ運ばれ、うちの90%が中国に運ばれたという。これらのゴミは当初広東省に運ばれ、その後各省に分散、焼却または廃棄による空気汚染により、児童および民衆の多くが呼吸器疾病に罹った。環境健康雑誌の報道によれば、空気汚染とSARSは正比例し、空気汚染の深刻な地区はSARSの発病率も高いという。
ハーバード大学のダル・ジョーゲンセン教授は、環境汚染は中国経済に巨大な損失をもたらし、損失金額は中国国内総生産の5%、約500億米ドルと研究報告した。しかし、世界銀行の計算では、それよりもっと高く8-12%、約1000億米ドルであるという。