【大紀元日本3月1日】マダガスカル島東部のインド洋上に位置する仏海外県・レユニオン島で先月、原因不明の伝染病が流行、77人が死亡したことが明らかになった。感染拡大の恐れがあるため、住民らは不安の日々を過ごしているという。明報が伝えた。
仏当局のベルトラン健康保険担当相は23日、「感染患者の病状から、蚊が媒介するチクングニア病である可能性が高い」との認識を示した。同氏によると、チクングニア病に罹ると関節が腫れ、腰が曲がってしまい歩けなくなるほどの苦痛を伴うという。高熱が続き、脱水症状、重症皮疹の症状が現れるが死に至ることはないことから、先月死亡した77人の症例はこれまでの臨床例と相違すると発表した。
仏当局は、原発地区を消毒し、蚊を駆逐するため、軍隊400人を派遣したという。情報筋によると、景勝地として知られるレユニオン島は、地元労働者約10%が病気で倒れ、観光客の予約数は60%降下し、経済的損失は既に1500万ユーロ(約21億円)に達する見込み。
レユニオン島では、昨年3月よりこれまで11万人が同感染症に罹患し、総人口数の1/7を占めている。インド洋の島々では、レユニオン島のほか、モーリシャス共和国、セイシェル共和国でも同感染症が少なからず見られたという。
世界保健機関(WHO)は、仏当局に協力し、地区内の監視体制を整えるため、専門家チームをレユニオン島へ派遣したという。これまで同感染症での死亡例がなかったことから、まだワクチンと特効薬の開発はされていないという。