【大紀元日本2月25日】英経済紙「フィナンシャル・タイムズ」は22日、米国が中国に対して求めた通貨改革の加速「人民元レートの切り上げ」を中国が拒否したことを報道した。中共政権は、中国の経済発展に適合し、柔軟な為替システムを保持する「漸進的」政策を構築することを表明した。
中国人民銀行(中央銀行)は、同銀行のウェブサイトで、2005年第4半期貨幣政策報告書を発表し、中共政権は人民元を「基本的に安定する」方針を示した。
中国企業は、為替管理の経験が非常に少なく、政府当局は企業の突発事態を避けると同時に、投機的投資が起き易い為替市場に専門的知識を集めるとの見方が多く示された。中央銀行は報告書で、「我が国の経済金融発展と安定のため、変動為替レート制度を整える必要がある」との認識を示した。
中共は昨年7月、米ドルに対する為替レート2・1%切り上げを発表、為替変動率を厳格に管理する政策を打ち出してから、米国の「対人民元レート切り上げ」の圧力は緩和されたが、今年4月の胡錦濤総書記訪米時に同問題が再び議論されるとみられる。
2005年、米国の貿易赤字は記録破りの7260億米ドルにまで上昇し、その内の4分の1が対中貿易赤字である。増長する貿易収支の赤字に対し、米議会は為替レート問題に対して怒りを覚えたという。昨年7月以来、人民元の対米ドル為替レート上昇率は約0・8%にしかすぎず、当日取引幅の上下限度0・3%に近づくこともないという。
中国人民銀行24日発表の為替レートでは、1人民元が邦貨約14円、米貨約0.12ドル。