天安門事件で毛沢東の肖像に卵、16年の監禁後、精神障害のまま釈放へ

2006/02/25
更新: 2006/02/25

【大紀元日本2月25日】天安門事件(1989年)当時、毛沢東の肖像を汚したとして逮捕された喩東岳氏は16年間の監禁を経て、23日に釈放された。喩氏は獄中で精神異常になり、身の回りの世話もできない状態であるという。

VOAによると、天安門事件(六四事件)当時、天安門の城壁に飾られている毛沢東の肖像めがけて生卵および塗料を投げつけた喩東岳氏は「反革命破壊」および「反革命扇動」の罪で逮捕され、20年の刑に処された。喩氏は過酷な獄中生活で精神異常となった。

同氏が四年の刑期を前倒しされ、釈放されたのは、近く訪米する予定の胡錦濤総書記が中国の人権状況をアピールするためのパフォーマンスだと見られている。

喩氏の両親によると、同氏は全身むくんでおり、家族も分からない状態で一人では生活ができないという。

当時、湖南省瀏陽日報の美術編集者だった喩氏は、元・湖南省瀏陽小学校の教師・余志堅氏および湖南省バス運輸会社の運転手・魯徳成氏の3人で、毛沢東の肖像に生卵および塗料を投げつけた。3人は、反革命の罪で当局から重刑を科されたという。

天安門事件を応援したため、2度にわたり監禁された北京の作家・劉暁波氏は、「卵を投げただけで、20年も処刑され、しかも現在精神異常となった。これはまさに当時の政治的雰囲気を象徴している」と述べた。当時、喩氏と同じ行動をとった多くの若者たちが、喩氏よりも厳しい懲罰を受けた。劉氏は、「彼らは不公正な処分を受け、多くの苦痛を味わった」と述べた。

現在、天安門事件の参加者の中、まだ70人ほど服役している。