【大紀元日本1月29日】中国の民主活動家・呉一然氏は1月23日、インターネット上(http://www.qian-ming.net/gb/default.aspx?dir=scp&cid=67)で日本次期駐在北京大使・宮本雄二(元中国公使)氏に関し、日本政界へ公開書簡を発表し、宮本氏が民主と自由を抑圧している中国共産党の一党独裁を容認する発言を指摘し、同氏は北京大使として不適切であるという見解を公表した。同書簡に関する署名活動もインターネット上で3月22日まで行われている。
書簡の内容は以下である。
貴国の華人向けの週刊紙「中文導報」は1月12日に出版された第598期の第一面に「北京大使の次期赴任者は宮本雄二氏である可能性が大きい」という記事が掲載されました。これによると、「2001年2月、宮本氏がある集会で、彼が中国へ赴任したこの3年間の感想を紹介、中国の巨大な変化に感動するほか、日中友好の将来に十分な自信を持っていると述べ、今の中国では、中国共産党のほか、現代政治の正規な訓練を受けた如何なる勢力も存在しておらず、共産党は国家安定を保証する重要な勢力に違いないと認めている」とあります。我々は、このような認識を持つ宮本氏は北京大使の職務に適合していないと判断せざるを得ません。
中国では、中国共産党(以下、中共)のほか、昔からほかの政治勢力も存在し、特に中国台湾、香港及びマカオなどの地域に、長期に亘る現代政治実践の政党勢力が公に存在しています。以上の地域は中国の一部であり、貴国の政府もそれを認めています。宮本氏の言論は実は中国の主権利益と領土を完全に傷つけたと思います。これにかんがみ、宮本氏が北京大使へ赴任することに関し、中共を含む全ての中国政治勢力が懸念していると思われます。
また、現代政治の定義によると、民主は政治現代性の核心な部分であることが公認されています。ですので、中国に存在している各政治勢力の中、民主を弾圧してきた中共は「現代政治の正規な訓練を受けた勢力」に入らないと判断されます。同様に、民主を弾圧する主謀者である中共は「国家安定を維持する重要な勢力」にはならないだけでなく、国家法律手続きを長い間で混乱している元凶であることを認識していただきたい。宮本氏が我国の実態への認識の低さは、我々に不安を感じさせるものです。
貴国外務大臣・麻生太郎氏は去年12月7日、東京外国記者クラブで外交政策を講演したことがあります。講演のタイトルは「私のアジア戦略――日本はアジアの実践先駆者,意識のリーダーである」となっておりました。このタイトルのように、貴国がアジアのリーダーシップをとるならば、民主制度と自由価値観において貴国の地域先進性を、周辺国家へ使節を駐在派遣する際にも活かされるものと切に願っております。
民意は外交の基礎であります。我国の国民は民主と自由価値に対し甚大なる敬意を抱いております。我々の人権追求に関心を持つことは、我国の国民にとって最も歓迎される支援であります。今回の発言はこうしたものとは相容れず、一日も早くこの状況を改善することを望んでいます。実は、人事の異動よりも、その関係者の理念が最も重要なことであり、我国の国民の人権追求に関心を持つことは、両国国民の信頼関係を築く必要な条件だと思います。
自ら望まないものを、他人にも与えるべきではありません。貴国憲法では、例えば、国民の基本的人権(第11条)、請願権利(第16条)、思想及び意識自由(第19条)、宗教の自由(第20条)、集会、結社、言論、出版等(第21条)、住居移動の自由(第22条)、学術の自由(第23条)、生存権(第25条)、教育を受ける権利(第26条)、労働権利及び労働条件の基本標準(第27条)、労働者の団結権、集団交渉権とほかの集団行動権(第28条)、財産保障(第29条)、法律を越えて如何なる人間の命、自由を奪うこと及び刑罰を与えることも許さない(第31条)など、国民権利を保護しているが、いま我国の国民のそのような権利は剥奪されているのです。このような現実の中で、貴国の北京大使は貴国と同レベルの価値標準を持って対処するものと願っております。世界から普遍的に認められている自由価値観を持って処理することは、両国関係の正常化または両国国民の将来の利益に関わることだけではなく、本当の友好を実現する必要な条件であると思います。
最後に、貴国の次期赴任の北京大使は、我国の大陸地域の民衆と広範囲に交流し、相互理解を築くことができる方を望んでおります。そうすれば、我国の民主化の推進を目指すなかで、両国国民の本当の友好が堅固に築かれるものと信じております。
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