【大紀元日本1月24日】英国の救出隊は21日、前日に誤ってテムズ川に入り込み、ビッグベンと国会議事堂などを泳ぎ通過したトックリ・クジラの救出にあたった。救出隊は身長5~6メートルの同クジラを取り囲み、はしけ舟で川の入口へ運んだが、英国の動物保護団体によるとクジラは現地時間21日夜7時に死亡した。
テムズ川にクジラが出現したのは1913年以来のことという。同クジラは20日の午前に発見され、クジラの周りからは血の色に染められたような水しぶきが上がり、多くのカモメをひきつけた。テムズ川沿岸にはクジラを一目見たいと数千人が集まり、
クジラが海へ戻ることを望む数千人がテムズ川に集まった(Getty Images)
クジラの潮吹きに歓声が上げた。
クジラはテムズ川の上流へ進み、ロンドン西側のチェルシー区に到達した際、浅瀬のため身動きが取れなくなった。多くの人々が水に入り、クジラを励ましたが、午後5時30分ころクジラは水に潜り、いなくなった。深夜1時ごろ、救出隊は上流のバテシー区でクジラを見つけた。
21日、ロンドンのメディア各社は一斉にクジラの救出を呼びかけた。英国動物虐待防止協会の専門家サンドラ氏は「テムズ川に閉じ込められたクジラは、まるでサハラ砂漠の真ん中に迷ってしまった人間のようだ」と語った。サンドラ氏は、水深6~8メートルに迷ったクジラは、24~48時間の生存の可能性しかないと述べた。テムズ川は引き潮になると、水深が人の腰の高さにまで下がるのだ。
目撃者によれば、クジラには傷があり、口および鼻の部分に血痕が見られた。また、映像ではクジラの片方の目が怪我しており、体には多くの擦り傷が確認されていた。21日、救出隊員は平らで空気入りの船および網を使用して、クジラをはしけに乗せ川の入口へ運んだ。
クジラを懸命に救出する救出隊員(Getty Images)
英国王室動物虐待防止協会は21日、専門家による救急措置を施したが、クジラは夜7時(日本時間22日朝4時)にけいれんを起こした後死亡したと発表した。