ハイチ:国連PKO司令官が死体で発見、頭部に銃弾

2006/01/08
更新: 2006/01/08

【大紀元日本1月8日】ハイチに駐留する国連平和維持活動(PKO)の司令長官ウラノ・バセラ将校(57)が7日、首都ポルトープランスのモンタナ・ホテルの部屋で頭部に銃弾を受け、遺体となって発見された。国連ハイチの職員は、各社が報道したバセラ将校の自殺説を否定した。

海外情報筋によれば、国連ハイチのブラジル当局職員マートス氏は、各社が報道したバセラ将校の自殺説を否定した。マートス氏は、バセラ将校には自殺する要因がなく、精神的にも落ち着いていたと述べた。また、バセラ将校は前日に勲章を授与するカクテルパーティーに参加し、会場の人々と写真を撮るなど楽しく過ごした様子だったという。

マートス氏は、バセラ将校の自殺を確定するいかなる証拠もないとし、事件発生当時、ホテル内で聞こえた銃声について調査を進めていると述べた。

バセラ将校は昨年8月31日に国連ハイチの安定化派遣部隊の司令長官に就任し9000人の部隊を指揮しており、同任務は2月に終了する予定だった。

アナン国連事務総長はバセラ将校の死に驚愕し、遺憾の意を表した。

ハイチは04年2月、反政府勢力が主要都市を占拠し政府軍と衝突した結果、アリスティド前大統領が亡命。それ以来、政局は不安定が続いており、襲撃事件も増えているという。その後国連のPKOが展開しているが、ハイチの治安問題において進展は見られていないという。

また、バセラ将校の突然の死は、1月8日と2月15日にハイチで予定されている大統領・国民議会選挙にも影響を及ぼすと見られる。すでに4度にわたって延期された選挙は、襲撃事件の急増および投票所の未定、投票者に投票用紙が届いていないなどが原因と考えられている。