【大紀元日本12月29日】欧州議会における議員理事会の政治事務委員会(the Political Affairs Committee of the Council of Europe Parliamentary Assembly)は12月14日、フランスのパリで会議を開き、「共産体制の罪状を非難する必要性」と題する報告書が通過された。
本報告書はスウェーデンの議員ゴラン・リンドブラート(Goran Lindblad)氏により起草され、以下の3つの部分から構成されている。以下は、その概要をまとめたもの。
決議草案
欧州ではすでに崩壊した共産政権は、大規模に人権を侵犯する本質を持ち、集団虐殺や、飢餓、酷刑、労働力の略奪などの国家テロリズムを繰り返してきた。大半の被害者は共産政権の国民であり、共産主義の党則には「敵対勢力と見なす相手をすべて容赦なく暴力排除する」と明記している。この原則をもとに数々の国家犯罪を実行され、いまだに継続されている。それに対し一部の国は国家利益のため、こうした共産政権の罪状を非難することを拒んでいる。欧州において共産政権が崩壊した後、国際社会はナチスと同様に徹底的に共産体制の罪状を調査すべきであり、民主社会は共産政権に対する認識は非常に不十分である。
欧州議会の権力機構Committee of Ministersへの提案書
共産政権に統治されていた欧州国家は、独立権限をもつ専門家の委員会を結成し、共産時代における人権犯罪の証拠収集に乗り出すことを提議する。それに加え、①声明文を公開し、共産政権の罪状を厳しく非難する ②全欧州で教科書を訂正するなど、民衆が共産政権による犯罪を深く認識できるよう啓蒙活動を展開する ③政界や専門家、民間団体NGOが連携で関連する国際交流会議を開くことを要請する
備忘録
共産党は政権を設立、維持するために、個人と集団に対する虐殺を繰り返し、国家権力を犯罪行為に濫用してきた、『共産主義の黒い記録:犯罪、テロと鎮圧」(『Black Book of communism: crimes, terror et repression』)によると、中国共産党が6500万人以上の人を虐殺し、2番目の前ソ連は2000万人を殺したという。現在一部の国家は、政治と経済利益のために、共産政権とくに中国に対し、このような犯罪行為を非難することに躊躇している。
会議終了後、大紀元は報告書の提案者ゴラン・リンドブラート議員や、ハンガリー議会の外交事務委員会主席、欧州議員理事会の政治事務委員会第3副主席ツォルト・ネメス氏(Zsolt Nemeth)、ブルガリアの前外交部長ミハイロワ(Nadezhda Mihajlova)議員を取材した。
ゴラン・リンドブラート議員は「共産政権はいまだに中国や、カンボジア、ベトナム、北朝鮮、キューバなどの国家で存続し、悪行を繰り返している。このような国家犯罪に対し、民主社会は反対する立場を堅持することは非常に重要である」と力説し、大紀元のシリーズ社説「九評共産党」はとても説得力があり、再読しているという。
ゴラン・リンドブラート議員(大紀元)
ネメス主席は、報告書が通過されたことに安堵の表情を見せ、昨年から拡大してきた中国の脱共産党ブームについて、「これは非常に重要な話題だ、中国における共産主義から民主主義への転換は必然的な流れであり、我々は温かく見守っていく所存であり、必要であれば経験を共有する用意もある」と積極的な態度を述べた。
ツォルト・ネメス主席(大紀元)
ミハイロワ議員は共産政権下のブルガリアで生活したことがあり、ある意味ではナチスと共産党は非常に似ていると言い、「人権問題は決して内政ではないため、共産政権の人権犯罪を非難することは重要である、共産主義は民主主義とまったく共通性がない。中国共産党は国際法を遵守し、国際社会の民主や、自由と人権に対する普遍認識を尊重すべき」と指摘した。
ミハイロワ議員(大紀元)
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