【大紀元日本12月26日】湖北省京山県宋河鎮の電池工場による一年来の環境汚染への抗議のため、9月29日に地元住民が工場を包囲し、その中から第二中学校の生徒が工場に乱入、窓、コンピュータなどを破壊した。地元警察が出動して鎮圧したが、この衝突の原因となった環境汚染問題はまだ解決していない。
10月1日、派出所に電話をかけたが、警察は取材を断った。取材した住民はこう語った。「衝突はその日のうちに平定されたが、百人以上の警察が来た。まさに武力鎮圧だった。この電池工場は地元住民に恨まれている。肝心の環境汚染が解決されないまま操業を続けており、いまだに民衆を汚染による危険に晒している。」
この工場は人が多く住む地域を選んで建てられた。工場から200m内に生徒数二千人ほどの第二中学校がある。電池工場が環境汚染を始めてから一年余り。有毒成分を含む排気を処理しないまま大気中に放出し、鉛を含む汚水を地下水に流している。宋河鎮は水稲の産地であるが、白米は黄色みを帯びて商品にならなくなってしまった。農民が飼う豚も地元の農作物を食べたとたんに死んでしまったという。
目先の利益だけを追い求め、民衆の生命を無視
住民から聞いた話では、工場長は民衆を全く気にかけていない様子。「宋河鎮の住民が皆死んでも、工場は今までどおり操業を続けるつもりだ。つまり住民が鉛中毒にかかってもそれは私にはどうでもよいことだ」と工場長が自ら語ったという。
行政に電池工場の環境汚染防止を訴えても、行政は訴えを聞こうとしないばかりか、上層部や外部への情報封鎖をする始末。工場の株式保有を通じて市政府、省政府が電池工場と結託しているためだと思われる。
電池工場による環境汚染は人知れず進行する。鉛中毒の進行には長時間を要するため、まだ明らかに鉛によると見られる被害は出ていない。農畜産物の被害の他に、第二中学校の運動場が一面黒い灰に覆われた状態になったり、先生や生徒の多くが呼吸器系の病気の症状を訴えたりしている。住民はこう語る。「あの電池工場は規模を7倍に拡大する予定で、毎年数億元もの収入増となるらしい。今でも汚染が激しいのに、規模が拡大したらさらに激しくなる。暴利だけを追い求め、地元住民のことなどどうでもよいのだ」