上海住宅価格の下落、1年間も継続か

2005/11/15
更新: 2005/11/15

【大紀元日本11月15日】「金九銀十(数字は月を示している)」、伝統的に住宅販売が旺盛になる時期の9月と10月、上海住宅市場の住宅取引量は、前年同期の50%にも到らなかった。専門家は、上海住宅市場における下落の趨勢はすでに決定的となり、1年以上続く可能性が高いと見込んでいる。

各地区・各物件の実際の価格変動について行った研究によると、上海住宅市場における下落の趨勢はすでに動かぬところとなっていることが分かった。また、暴落の情況が出現する可能性は大きくないが、この趨勢は1年以上に渡って続く可能性がある。

「金九銀十」に対する希望は、ディベロッパーの期待および住宅購入者の視点からは次第に消えつつあり、伝統的に販売が旺盛なこの時期が、市場に良きサプライズをもたらすことはあまりなかった。9月期において、上海で新たに成立した取引は162万平方メートルで、一日あたりで484件であった。10月期においては、10月15点xun_ネ降の平均取引量は全て650件以上であったが、10月期全体において新規で取引が成立した面積は、180万平方メートル以下であったと予想される。前年同期それぞれ330万平方メートル、390万平方メートルの取引が成立した面積とは比べ物にならない。

一方、上海市において、新規で市場に投入される分譲住宅の面積は、一日当たり8万平方メートルの水準で増加している。10月25日の段階において、新たに投入された分譲住宅の面積は、すでに2392万平方メートルであった。供給圧力がこれだけ大きいことに鑑みると、ディベロッパーが、頻繁に住宅価格を大きく引き下げる行動を取ることは理解し難くない。その中には、受け狙いのものもあるが、確実な値下げであるものも一部に存在している。

各地区・各物件の実際の価格変動に関する研究を通じ、上海富陽物業咨訽有限公司の不動産アナリストは、需給状況から判断して、上海住宅市場における価格下落の趨勢はすでに動かぬものとなっているとしている。しかし、様々な要因が総合的に働く結果、価格は、緩やかなテンポで持続的に下落するだけであり、暴落の局面が現れる可能性は高くない。

価格は緩やかなテンポで持続的に下落

市場価格は、需給の双方、及び需要・供給それぞれの内部にある様々な要因、すなわちディベロッパー、住宅購入者、政府、国際ホットマネー、他産業等が不断に作用し合う結果として決まってくる。上海富陽のアナリストの見解として、以下の3つの原因から、住宅価格の下落は必然的に緩慢かつ持続的なプロセスをたどることとなる。

①需要の度合いに応じ、消費者心理における購入価格が異なること

現在の市場における取引量は緩やかに増加しているが、この事実は、マクロ調整政策が安定するにつれ、住宅価格は一部の消費者心理に適う価格に達する。彼らは、自身の情況に応じ、異なる段階で市場に参入し、現在の価格を受け入れる。このため、一定の需要に応じられる価格の下落といっても、一度きりの下落で需要の全てを満たすことができるわけではない。

②緩やかな価格下落の継続は、政府、ディベロッパー、購入者にとって許容可能な選択肢であること

政府の視点から見ると、住宅価格の緩やかな下落は、経済の持続的な発展と社会の発展に対してあまり大きな被害を与えない。また、不動産業において一定の調整がなされ、これをより良く発展させることは、科学的発展の考え方、および調和の取れた社会の要求に合致している。

ディベロッパーの視点から見ると、住宅価格が緩やかに下落することで、自身のキャッシュフローをこれに適応させ、開発のペースと新規プロジェクトへの投資を調整することができる。

住宅購入者から見ると、許容できる住宅価格はそれぞれ異なっているほか、地域、規模、品質に応じ、物件の変動情況もまた全く異なっている。このため、必ず最低価格で自分に適した物件を購入しなければならないという必要もないし、その可能性もない。このように、市場の様々な要因が総合的に作用し、住宅価格は必然的に、持続的な下落の途をたどることになる。

③商業施設の整備及び市政による建設が進むことで、価格の下落が緩和されること

上海は、現在、都市インフラを大量に建設しているが、各地域の商業および市政による建設は日を追う毎に整備されており、投入された土地資本は価格の一部に転化され、これが価格下落に対して一定の反作用をもたらす。このため、住宅価格が下落するペースがある程度緩和されることとなる。

下落期間は少なくとも一年間続く

上海住宅市場における販売可能面積の増加ペースは、年末で2700万~2800万平方メートルのピークに達する見込みであり、この増加量は、基本的に、2005年以前に譲渡された土地をベースに建設されたものによる。

上海富陽の不動産アナリストの見解によると、マクロ調整が持続的に進められていること、および年末の段階で企業の資金のキャッシュフローが逼迫することから、企業は、新規プロジェクトへの投資に対して更に慎重になり、ひいては投資を取り消すことを惜しまない。この結果、住宅投資が下落、あるいは建設プロジェクトが減少し、市場の主な注視点は、現在の在庫およびマクロ調整前に建設したものを消化することとなるだろう。この間、上海不動産業における競争圧力は高まりを続けるであろう。

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