【大紀元日本11月14日】今年、中国の鉱山事故は絶えず、経営陣の安全管理の杜撰さが主な原因と見られ、しかも経営陣は各地の政府官員と深いかかわりを持っている。このような背景の下で中央政府は、各地政府官員が鉱山会社の株を持たないようにと通達したが、各地の政府官員からの抵抗が相当強かった。この敏感な時期に、温家宝・首相は数度に渡り生産上の安全性を重視するようにと指示したが、曾培炎・副首相は“投資家の権益を守る”と公然として中央政府の方針に反対を唱えた。
国務院弁公庁の資料によると、11月10日、国務院は鉱業産地である山西省で省レベルの地質鉱業会議を開き、副首相の曾培炎が出席し、「法律に基づいて投資家の権益を守る」という演説を行った。
今年に入ってから、中国鉱業における事故による死亡者数は世界の同類事故の中で最も多く、中国もこの類の事故発生率の最も高い国家となっている。中国政府筋の公表したデータによると、今年の1月から10月まで、炭鉱業において10人以上の死亡者数を出した特大事故は47件があり、死亡者数は1291人に達している。去年同期に比べて16件、634人増加した。30人以上の死亡者数を出した特別重大事故は8件、計640人が死亡し、去年同期に比べて4件、386人増加したという。
今年8月、広東省の梅州で起った事故で123名の従業員は全員死亡した。事故の調査結果は経営者が安全無視で生産を行ったのが主な原因である。しかも、鉱業の経営陣は各地方政府官員と密接な関係があり、政府官員の庇護の下にあり安全作業は単なる空論に過ぎない。
このような背景の下で、中央政府は鉱業全体を整備する指示を出した。8月22日、国務院は「安全条件不備の営業停止、または不法な採掘の取締りを高める緊急通達」を発表し、この通達では9月22日までに国家公務員、国有企業の責任者は炭鉱業から投資を引き上げろと命令した。その後、中央紀律検査委員会、監察部、国務院国有資産監督管理委員会、国家安全生産監督管理総局は共同で通達を出し、期限内に投資を引き上げない者は免職処分を行うと通告した。
通告は各省、市まで下達されたが、ほとんどの地方政府は無反応である。9月22日の「中国青年報」の報道によると、9月22日の期限になったが、内モンゴルにおいて投資を引き上げる者は一人もいないという。さらに、中央の方針に背き、副総理の曾培炎は山西省で公然として反対を唱えている。高層部における不協和音は表面化されているようだ。
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