【大紀元日本11月2日】日米両国はこのほど新たに軍事協定を締結した。今回の合意は両国の軍事関係35年間において最大規模の調整であり、駐沖縄米海兵隊の兵力大幅削減や、新規ミサイル防衛システムの設立などが明文化され、日本に同盟軍として一層の働きを発揮させる形となった。
在日米軍の配置転換
米国務長官ライス氏と国防総長ラムズフェルド氏は10月29日、米国防省内で、町村外務大臣及び大野防衛庁長官と会談し、在日米軍5万人の配置転換を中心に論議を交わした模様。
米国防省が公表した日米軍事協力改革協議報告書では、「日米安保条約に定められた範囲を拡大し、現在沖縄に駐留する米海兵隊1万8千人から7千人をグアム島に配置転換し、日本は引き続き米国海軍の戦闘艦艇に母港を提供する」とされている。
10月27日の米国側の発表によると、現在横須賀を母港とする米空母・キティホークが2008年に退役帰国するため、後継の防衛力に米原子力空母を受け入れることに日本側が合意したという。米国の原子力空母が日本を母港とするのは初めて。
米国官僚によると、今回の在日米軍の大幅改編は6年以内に完了する見通しだが一部の重大項目については更に時間がかかる可能性もあるという。
米国VOAは「新しい協定の目標は日本と周辺地域の安全を守ることであり、さらに目標達成に要求される両国の軍事力が明らかにされた」と評した。
日本は軍事活動に参加する自主決定権を持つ
米国国防長官・ラムズフェルド氏は、「日米安保が拡大したが、しかし日本には軍事活動に参加するかどうかの自主決定権を持っている。日本は世界第2位の経済大国であり、日本経済の発展にも国際社会の支援が必要不可欠で、そのため日本は国際体系を保つ分野では更なる役目を果たすべき」と期待を寄せた。
VOAの報道によると、日本の大野防衛庁長官は、財政支出に保守的と見られたが、今回の新協定の実行に伴う在日米軍の配置転換費用をほぼ全額負担することで承諾したという。
中国の軍事的台頭を牽制する
米国防省の協議報告書には、「日米日間の緊密な軍事協力は、当地域の安定を脅かす軍事的台頭を解消するため重要手段で、攻撃行動に対する抑止である」と明言している。
ワシントン・ポスト紙は、『協議報告書からは、「日米軍事協力は中国の急速な軍事力現代化を牽制するための秘策であり、国防省は台湾に限らず、日本やインドなどその他のアジア国家が中国の脅威下に置かれていることを認識している」と読み取られる』と報じた。
台湾淡江大学米国研究所の所長・陳一新教授は以下のように述べた。
日米安保体制の調整は、50年以来の発展と過去数年間米国が世界軍事力を再配置した結果であり、駐欧米軍が削減されたと同時に、韓国特に日本に駐留する米軍が増え続けてきた。
米国は中国軍事力の急速拡張を憂慮している。なぜならば中国の戦力は台湾を制御するレベルを遥かに超え、その目標は東アジア国家である可能性は高い。そのため米国は再三に中国に対し、軍事力拡張の動機を明かすよう要求し続けてきた。
最後に同氏は米国務長官ライス氏の談話を引用した、「中国は必ずしも恐れる存在ではないかもしれない。中国共産党が経済と軍事の分野において国際規則を守ることができれば、米国は中国を脅威であると認識する必要がない。反対に中国当局が頑として意地を通し、さらなる国際責任と義務を受け入れなければ、中国共産党の動機を疑わざるを得ない」。
(大紀元記者・王珍)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。