ロシアと中国がカザフの石油資産権を争う

2005/11/01
更新: 2005/11/01

【大紀元日本11月1日】中国国内最大手の中国石油天然ガス会社(以下CNPC、本社・北京)とロシア石油最大手のルクオイル社の両社が、カザフの石油資源の資産権をめぐって熾烈な争奪戦を展開し、裁判を引き起こしていることが明らかになった。中央社が伝えた。

ロシアと中国の間に位置するカザフは、カスピ海地区において最も豊富な石油貯蔵量を誇り、世界原油供給の最重要地区のひとつといわれている。

中国の石油需要が高騰し続ける中、カナダの裁判所は10月26日、中国CNPC社によるカナダ石油大手・ペトロカザフスタン社(本社・カルガリー、以下カザフ社)の買収案を正式認可した。カザフスタンに全石油資源を持つカザフ社は、毎日の産油量が15万バレル、カザフ全国の生産量の12%を占めている、買収金額は41.8億ドルと公表されている。

しかし、ロシア石油会社・ルクオイル社がこの買収に異議申し立てを行った。ルクオイル社はカザフ社と共同出資で石油会社を設立しており、買収案にはカザフ社が所有するその合弁会社の50%の株式を中国CNPC社に同時譲渡すると明記しているが、ルクオイル社はパートナーのカザフ社が所有するそれらの株式について、優先取得権を主張し、買収案の撤回を求め、カナダのストックホルム商会の仲裁委員会に訴状を提出していた。

カナダ裁判所の買収許可判決が下る前日の25日、ルクオイル社は突然、中国CNPC社と同じ価格でカザフ社を買収すると宣言した。

カザフスタン政府も中国による自国の石油資源の独占を阻止するために一連の自衛策を打ち出し始め、今回の買収がカナダ司法に許可されたとはいえ、流れは複雑になる可能性がある。