【大紀元日本10月10日】英紙「ガーディアン」記者、ベンジャミン・ジョフ-ウォルト氏と人民代表・呂邦列氏は10月9日、土地汚職をめぐり行政側と村民が対立している中国広州市太石村へ取材に行く途中で暴徒に行く手を阻まれた。呂氏は残虐な暴行を受け、所在が不明だが死亡した可能性が高いと思われる。ガーディアン紙によると、記者は、撲殺の現場を一部始終目撃した。
呂氏(34)は、湖北省枝江市百里洲镇宝月寺村の農民出身、2004年中共政権の下で初めて農民から推挙され選ばれた人民代表で、村民自治権問題、人民代表選挙の民主制度問題に尽力していた。農村自治運動の先駆者として、その方向性に大きな影響を与える存在であり、当局から監視されていた。今夏に太石村の民主運動が始まって以来、村民を応援するため太石村に滞在していた。村では暴徒らに常に殴られ、体中傷だらけであったという。
ジョフ-ウォルト氏はガーディアン紙で報じたところによると、同氏は助手の陳氏と共に太石村へ取材のため、北京から広州へ飛び、人民代表の呂氏の同行で太石村へ向かった。呂氏は、村がすでに政府に雇われた暴漢たちに囲まれており、自分の身の危険を知りながら、記者らを道案内するため、彼を広州から太石村まで同行した。
記者の報道によると、午後7時ごろ、太石村に入る手前で、30人から50人の迷彩服などを着た、ならず者風の男たちによって乗っていた車両が包囲され、行く手を阻まれた。
男らは懐中電灯で照らし、車中にいた呂氏を確認すると、彼を引きずり出し、なぐる、蹴るなどの暴行を働き、あたかも見せしめのように痛めつけたという。
呂氏の眼球は飛び出し、口中から血が流れ、四肢はねじ曲げられるなど、記者は暴行の一部始終を車中から目撃、その記述は凄惨さを極めている。記者は事なきを得たが、命がけで案内してくれた呂氏に対し、なにも出来ず良心の呵責も吐露している。
呂氏は死亡した可能性が高いが、その所在は不明で、ガーディアン紙も事件の発生を確認できないでいる。
大紀元記者の調査によると、現地村民の話では、呂氏はすでに死亡したとされ、村の幹部らは村民らに、外部には、呂氏は交通事故で死亡したとするように説得していたという。
ある村民は「暴徒は太石村党支部書記に一日100元で雇われた者であり、目的は取材しに来る外国記者を暴力で退去させるためである。彼らは毎日酒を飲み、人に暴力を振ったり、人を捕まえたりして、まるで無法社会のようだ」と述べた。
当局は太石村の情報が外へ漏洩するのを恐れており、太石村に接近した記者や弁護士はこのような暴力に必ず遭遇しているようだ。例えば、フランスの国際テレビ記者、アベル・セグレタン氏と香港の「南華早報」の記者・劉氏は10月8日、太石村へ取材しに行く途中で身分証明を見せろと要求され、さらに二十数人に酷く殴られた。また、弁護士の唐荊陵氏、郭燕氏、広州中山大学教授・艾曉明氏と鳳凰週刊紙記者ら4人が9月26日、調査のため太石村へ向かったが、途中で暴力を受けたという。