【大紀元日本9月18日】中国は米国、欧州諸国間の繊維製品摩擦がますます激しさを増している。米国、フランス、イタリア、スペイン、ポルトガル、ギリシアは、中国からの大量繊維製品の輸入によって失業が増加したと訴える中、中国企業側は輸出代金をもらえない状況にあり、同様に中国においても失業が増えている。
英国BBCの報道によれば、上海の「富東」会社の夏振華・総裁は中国からの繊維製品に対する数量制限が、繊維関連企業にとって壊滅的な打撃をもたらしていると述べている。特に直接生産に携わる企業に深刻な打撃を与えているとし、これらの企業の製品はほとんど数量制限のリストにあるからだと指摘。輸出代金の回収問題と企業の現況について、夏氏は次のように述べた。
欧米の輸入業者間との輸出代金に関して、今まで何ら問題はなかった。たとえ、万が一の場合にしても、相手はなんとかしてくれる。今回の貿易紛争の中で、多くの費用は中国側が負担しており、欧米の輸入業者は前払い金を支払ってくれなかったため、欧米の輸入業者の損失は少ない。現在、輸出商品の多くはEUの税関で数か月間寝かせられ、資金回収ができない状態にある。中国企業は資金繰りが苦しくなり、従業員の給料にまで影響が及んでいる。また、欧米からの注文も急減し、企業の臨時従業員の解雇が進んでいる。
中国からの繊維製品の急増に対し、今年6月、欧州諸国は対中輸入繊維製品への数量制限を設けた。それを受け、中国側は輸出した7千5百万件の繊維製品がヨーロッパの税関で押えられた。9月5日夜、欧州と中国の間で、EUの税関にある繊維製品について協議を行った。この協議によって欧州諸国の税関で押えられた繊維製品の半分は来年2006年の数量制限リストに入れることになる。