ブタ連鎖球菌対策、WHO支援を中国が拒否

2005/07/29
更新: 2005/07/29

【大紀元日本7月29日】RFA(ラジオ自由アジア)の報道によれば、WHO(世界保健機構)西太平洋地域スポークスマン・ディズ氏は27日、香港のメディアに対し、中国で発生しているブタ連鎖球菌について、これほどまでに大量疫病の発生はなかったとし、ウイルスの突然変異による可能性が高いことを示唆した。

ディズ氏は、WHOは中国に対して今回の疫病の対処に協力姿勢を示したが、中国側は必要がないとして協力を断った。

ディズ氏はさらに、感染者が絶えず増えている事実から判断して死亡者も増えるであろうと話した。しかし、これらの数字は確実ではないとして、今後の予測は難しいとした。

WHOは、今回の疫病の死亡率は25%と高く、従来ブタ連鎖球菌に感染した際の死亡率の倍であることを懸念。また、ブタ連鎖球菌の感染は従来1人ないし2人に止まるものだとし、四川で広まった深刻な感染の原因は理解しがたい状況であるとした。

中国国家疫病制御センターは27日、四川資陽市で発生したブタ連鎖球菌の遺伝子を分析し、諸外国が持つものの遺伝子と同様で、突然変異種ではないと発表。しかし、四川省衛生部職員が香港のメディアのインタビューに対し、突然変異の可能性があると告げた。

香港中文大学微生物学科副教授・許明媚氏は、ブタ連鎖球菌2型は人に感染する可能性は極めて少ないとし、大規模の疫病感染を引き起こした原因には懐疑的だ。

香港の主要政党は27日に政府に対して、四川より香港への冷凍豚肉の輸入を禁止し、政府職員を四川へ派遣し疫病の状況を把握するよう要請した。

米国メディアのVOA(米国の声)は、「中国四川で発生した伝染病は、鳥インフルエンザ、またはSARSがぶり返したかのように人々に恐怖と不安を与えた。WHOは、中国で起きたブタ連鎖球菌感染による死者数に対して質疑はしないが、極めて高い死亡率に驚きを隠せなかった」と報道している。

中国衛生部は、従来ブタにしか感染しない疫病が人に感染し、先月感染者の発病以来、少なくても24人が死亡、100人あまりが感染し、感染者は殆ど農民であったと発表。

高発生率の原因は不明

中国農業部及び衛生部は、ブタ連鎖球菌は人と人の間での感染はないとしているが、WHOディズ氏は、伝染者の数が異常に多いことから、状況はまだ不安定だと述べている。

中国は近年深刻な伝染病に襲われた

2002年末、SARSが中国南部に現れ世界へ広まった。人に対して命取りとなるウイルスによる鳥インフルエンザ疫病は中国各地で多くの家禽及び野生鳥類が感染。WHOは中国国内の状況を注意深く観察している。OIE(世界動物保健機構)も中国から、四川省の疫病に関する資料の入手を急いでいる。

中国当局は農民に対して、感染したブタの屠殺及び処分を禁止するなどの対策を講じ、疫病の蔓延を防ぐことにした。