国際研究チームが、妊婦が摂取するタンパク質の量が、後代の顔の発育に影響を与える可能性があることを発見しました。この研究は、3月26日に『ネイチャー・コミュニケーションズ』誌に発表されました。チームは人間の胎児で、顔の組織遺伝子の配列を解析することや、マウスやゼブラフィッシュなどの関連実験について報告しています。
過去の研究や実際の事例から、遺伝要因が顔の特徴に重要な役割を果たすと示されています。しかし、妊娠期間中の環境条件など、他の要因が一定の影響を与えることを示唆する研究もあります。新しい研究では、妊婦の食事習慣が胎児の顔の発育に影響を与えるかどうか、探究に着手しました。
解明するために、チームはまず、人間の胚子の顔の遺伝子配列を解析しました。研究者らは、「mTORC1経路」に関連するいくつかの遺伝子エンハンサー(エンハンサーは、タンパク質に結合できるDNAの特定の領域です。タンパク質に結合すると、遺伝子の転写が強化される)を発見しました。
以前の研究では、細胞が食品中の栄養素を処理する方法において、「mTORC1経路」が重要な役割を果たしています。新しい研究では、この「mTORC1経路」が早期の骨形成の調節に役立つことも示しています。
可能な調節の方法を特定するために、研究者はマウスとゼブラフィッシュで実験を行いました:一部は、顔の構造に影響を与える経路を活性化して、他の一部は、その経路を閉じて、その結果を比較しました。
チームは、経路を活性化すると個体の鼻腔が厚くなり、顔が大きくなることを発見しました。一方、この経路を閉じると、ゼブラフィッシュの顔が長くなり、マウスの鼻が大きくなりました。
研究チームは、食事が一定の役割を果たすかどうかを検証しました。タンパク質の摂取が「mTORC1経路」を活性化すると推測していたため、一部のマウスに高タンパク質の食事を与えました。検査結果によると、通常の食事を受けているマウスと比較して、高いタンパク質を摂取したマウスの胚子の顎が低く、鼻の袋が大きくなりました。
研究チームは、母親の食事が胎児の顔の発育に影響を与えると結論づけました。新たな発見はまた、食事がまだ発見されていない方法で胎児の発育に影響を与える可能性を示唆しています。
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