一年中いつでも起こるアレルギー性鼻炎

スギ花粉が飛散する春を迎え、毎年花粉症に悩まされている人々にとっては、大変な時期です。また、アレルギー性鼻炎は厄介なもので、花粉だけが原因ではなく、アレルギーを引き起こす原因物質（アレルゲン）が存在する限り、季節に関わらず発症することがあります。

花粉症の主な症状としては、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどがあります。人によっては症状が非常に激しく、体力や集中力が著しく低下し、健康な人を「病気」の状態にして、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。これは実に厄介な問題です。

「花粉症」というと、花粉が原因のように思われがちですが、実際には花粉に限らず、何かが体内に入ると、それを異物として認識し、体外に排出しようとする反応が起こります。この反応自体は「正しい反応」と言えますが、過敏すぎることがアレルギーです。ちなみに、中国語ではアレルギーをまさに「過敏」と表現します。

そうすると、花粉症に限らず、アレルギー症状を緩和させる根本的な方法は、自身の体質の改善というところにあるようです。言い換えれば、これほど過敏になってしまった原因は、そういう環境で生活する現代人の体質変化にある、と言えるのではないでしょうか。

本格的な夏に向かうこの時期、すでにエアコンを使い始めている職場や家庭も多いと思います。しかし、エアコンの内部が汚れていたり、フィルターの清掃が十分でなかった場合、中にたまっていたハウスダストやカビ、ダニなどが一気に吐き出されて、部屋の空気を汚しているかも知れません。これらは、そのままアレルギー性鼻炎の原因になり、また呼吸器疾患など他の病気の誘因にもなります。

その意味でも、エアコン内部の洗浄とフィルターのクリーニングを、定期的に行うことが求められます。
 

アレルギー性鼻炎を緩和する食事療法

台湾の栄養士・陳怡婷さんによると、バランスの取れた食事をとることによって、アレルギーの不快感を和らげることができると言います。陳怡婷さんは「アレルギーは炎症反応です」とした上で、抗炎症食品を多く食べることにより、アレルギー性鼻炎を改善できると指摘しています。

そこで食材を選ぶポイントは、以下の5つです。

1　高タンパク食
タンパク質は細胞や白血球、抗体を作る主要な成分であり、損傷した組織や粘膜を補修し、免疫系を維持するための重要な栄養素です。タンパク質は、豆製品や魚介類、卵、肉類などから摂取できます。特に黒豆は良質なタンパク質を含み、さらに抗炎症作用があるアントシアニンも豊富に含まれています。

2　ビタミンAを含む食品
ビタミンAは、上皮や粘膜組織を形成するために不可欠な栄養素であり、免疫機能にも重要な役割を果たします。ビタミンAは、にんじん、プチトマト、ほうれん草、アマランサス、サツマイモの葉、香菜などに豊富に含まれています。

3　ビタミンDを含む食品
ビタミンDは免疫系の機能に関与しており、ほとんどの免疫細胞にはビタミンD受容体があります。また、ビタミンDは抗炎症にも重要な役割を果たします。ビタミンDは、キノコ類、サバ、サンマ、鮭などに豊富に含まれています。さらに、屋外で日光を浴びることも大切です。1日に10分から15分の直射日光を浴びるだけで十分です。

4　オメガ3を含む食べ物
不飽和脂肪酸のオメガ3には、抗炎症作用があります。サバ、サンマ、鮭、イワシなどがその良い例です。魚は週に2回以上食べることをおすすめします。1回の分量は、片方の手のひらを目安にしてください。

5　さまざまな色の野菜
色の異なる野菜には、リコピン、アントシアニン、レスベラトロール、ケルセチンなどの異なるフィトケミカル（植物化学物質）が含まれており、すべて抗炎症効果があります。さらに、野菜と果物に含まれるビタミンCは抗炎症作用に加えて、上皮細胞の抗原に対する保護機能をサポートし、酸化物質を除去する役割も果たします。

また、野菜や果物からは豊富な食物繊維を摂取でき、ヒト免疫細胞の約70%が腸内に存在しているため、食物繊維は腸の健康維持にも重要です。グアバ、キウイ、オレンジ、サクランボ、ブドウ、ピーマン、緑の野菜、紅鳳菜（ほうれん草の一種）、トマト、タマネギなどがその例です。

アレルギー性鼻炎の薬は街の薬局でも手に入りますが、どれも一時的な対処に過ぎません。やはり、ご自身の体に気をつけて、日々の食事や生活を見直すことで、体調が良くなりますようお祈りしています。
 

(翻訳編集　柴めぐみ）