血糖値を良好に保ち、インスリン抵抗性を回避するには、どのような食材を食べればよいのでしょうか。近年、独自の性質を持つ数百種類の有効物質が含まれている食材として「ゴーヤ」が注目されています。
ゴーヤは抗糖尿病作用で広く知られている
糖尿病の治療には、薬物療法に加えて、食事療法や生活習慣の管理も重要な要素です。 糖尿病の治療に有効な天然植物の探索が続けられています。
ゴーヤはその代表的な植物の一つです。
ゴーヤは独特の苦味がありますが、今でも世界中で人気のある野菜で、この苦い野菜が持つ多くの効能が人々に愛されています。
ゴーヤには225種類以上の薬効成分があり、多くの有益な成分が含まれています。これらの物質は、抗がん、抗ウイルス、免疫増強、抗糖尿病作用があります。
ゴーヤの抗糖尿病作用は、世界的に注目され、さらに研究が進んでいます。 生物医学の文献検索エンジンであるPubMedで「ゴーヤと糖尿病」というキーワードで検索すると、近年、発表された研究が着実に増えていることがわかります。
インスリン分泌を促進する!? ゴーヤが1型糖尿病の緩和に貢献
1型糖尿病は、膵臓のインスリン産生β細胞が様々な原因で損傷し、インスリンを産生する能力が低下することで起こります。ゴーヤに含まれる成分により、1型糖尿病を緩和することができるといいます。
ゴーヤの成分1:インスリンの分泌を促進する「サポニン」
ゴーヤの成分には、苦みの原因となるサポニンや各種ゴーヤ多糖類など、膵臓からのインスリン分泌を促進するものがあります。
ゴーヤの成分2:膵島細胞をダメージから守る「トリテルペノイド」
ゴーヤに含まれるトリテルペノイドやゴーヤ多糖類は、膵臓細胞の活性を損傷、特に酸化的な損傷から保護します。
研究者らは、膵臓細胞を砂糖で処理した後、ゴーヤ水溶液を加えたところ、ゴーヤ水溶液を含まない対照群と比較して、膵臓細胞の一定期間の生存を確保する効果があることを発見しました。
他にも、ゴーヤエキスは、損傷した膵臓細胞の再生を促進し、その数を回復することができます。
また、動物実験では、1型糖尿病のラットにゴーヤジュースを与えると、血糖値や脂質のコントロールに良い影響を与えることが分かっています。
ゴーヤに含まれる成分は、いくつかの酵素の活性を低下させることによって、膵臓のβ細胞を保護する可能性があります。 過剰なグルココルチコイド(組織の炎症反応を抑制するホルモン)は膵島のβ細胞にダメージを与えますが、ゴーヤエキスはこのホルモンを調節し、インスリン分泌を促すことができます。
(つづく)
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