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自然療法で糖尿病改善

糖尿病を克服した4つの鍵――ケトン食・断食・運動・信念

糖尿病の症状が出たら、一生薬を飲み続けなければならないのでしょうか? 実は、生活習慣を早めに改善すれば、糖尿病は克服できるのです。

『血糖を素早く下げ、減量する新方法』の著者であり、米カリフォルニア州シリコンバレーにあるノースホーリー神学校の学長である劉志信博士は、新唐人テレビの健康番組『健康1+1』で、自身の血糖値が急上昇してから血糖値コントロールの成功までの道のりを語りました。

彼はパンデミック中に甘いものを多く食べたことで、2022年末には糖化ヘモグロビン(A1C)の値が8.2%まで上昇し、糖尿病の段階に入っていました。

朝の空腹時血糖も170mg/dL近くに達していました。しかし、すぐに血糖降下薬を服用するのではなく、食事と運動による血糖コントロールを選択しました。その結果、数カ月後には空腹時血糖が90mg/dLに下がり、糖化ヘモグロビンも6.2%まで低下しました。体重も約61kgから一時約52kgまで減りました。

その後、医師の指導でタンパク質を補い、最終的には約54kg前後に落ち着きました。ウエストも約86cmから約77cmまで縮小し、最終的に約80cmで安定しました。

劉志信博士は、自身が糖尿病を克服した方法を、「ケトン食」「断食」「運動」「信念」の4つにまとめました。「ケトン食」は、1日に摂取する炭水化物を30~50gに制限することを意味します。「断食」は、「15:9断食法」を取り入れ、朝食から夕食までの食事時間を9時間以内に抑え、残りの15時間は何も食べないことにします。「運動」には、有酸素運動に加え、スクワットやつま先立ちで手を上げるといった自宅でできる抵抗運動も含まれますそうして、最後の「信念」では、神に祈り、忍耐できるように神の助けを求めます。
 

ケトン食で血糖をコントロール

ケトン食について、劉志信氏は「完全に炭水化物を抜くわけではなく、1日の摂取量を30~50gに抑えている」と述べています。朝は全粒粉パン、夜は少量の玄米を食べることがあり、ときには豆類や果物も取り入れるとのことです。たんぱく質と脂肪の比率については、「一般の人が正確に計算するのは難しいため、普段の食生活をベースにして炭水化物の量を減らすだけでよい」と語りました。

研究によると、肥満の2型糖尿病患者において、総カロリーのうち炭水化物を20%に抑えたケトン食は、体重と血糖値の管理に効果があることが分かっています。ケトン食に切り替えた後、糖尿病治療薬やインスリンの使用量が減少し、ある患者は20kgの減量に成功。2年後と3年後には血糖値が完全に正常に戻り、糖尿病の薬を一切服用しなくてもよくなりました。
 

飽和脂肪は必ずしも悪くない

ケトン食では炭水化物の摂取を減らし、脂肪を主なエネルギー源とします。劉志信氏は、「できるだけ良質な脂肪を摂ることが重要」とし、アボカド、サーモン、オリーブオイルなどを推奨。一方で、精製された植物油の摂取は控えるべきだと述べています。

多くの人がケトン食による飽和脂肪の摂取増加を心配しますが、劉氏は「飽和脂肪にも良いものと悪いものがある」と指摘。バター、ココナッツオイル、チーズなどは天然の脂肪であり、良質な飽和脂肪に分類されます。

2020年に『米国心臓病学会誌』に掲載された研究では、飽和脂肪を多く含む食品(全脂乳製品、ダークチョコレート、未加工の肉類)と心血管疾患や糖尿病リスクの増加との関連は確認されませんでした。さらに、全脂乳製品には2型糖尿病を予防する可能性があるとされています。

一方で、不飽和脂肪は多く摂ればよいというわけではありません。特に、オメガ6系の不飽和脂肪酸を多く含む植物油の過剰摂取は避けるべきだといいます。研究によると、オメガ6を摂りすぎ、オメガ3が不足すると、慢性的な炎症が引き起こされ、動脈硬化、肥満、糖尿病のリスクが高まることが分かっています。

コレステロールについて、劉氏は「食事中のコレステロールを過度に気にする必要はない」と考えています。体内のコレステロールの80%は体内で生成され、遺伝などの要因に影響されるため、食事から摂取するのは全体の20%にすぎません。そのため、食事制限だけでコレステロールを下げるのは難しいとし、彼自身は医師の指示に従い、スタチン系のコレステロール降下薬「リピトール」を服用しています。
 

間欠的断食は「15:9」でOK

世間ではさまざまな断食方法が流行しています。例えば、週に5日は通常の食事をとり、2日は食事量を減らす「5:2断食」や、1日のうち16時間は食事をせず、残りの8時間に食事を集中させる「16:8断食」などがあります。研究によると、断食には血糖調整機能の改善や炎症の抑制効果があり、動物実験ではさまざまな慢性疾患の予防効果も確認されています。

劉志信氏は、より柔軟な「15:9」の間欠的断食を実践しています。これは、15時間は何も食べず、9時間の間に食事をとるという方法です。彼は次のように説明します。

「朝9時に朝食を食べ、12時に昼食、夜6時に夕食をとります。食事の間はできるだけ間食を控えれば、無理なく続けられます。」

劉氏は、「15:9」でも血糖値を安定させるのに十分だと述べています。ただし、断食時間が長すぎると、食事の際に空腹感が強まり、かえって食べすぎてしまう可能性があり、血糖管理には逆効果になることもあると注意を促しています。

『Cell Metabolism』誌に掲載された研究によると、1日14時間の断食でも体重の減少や糖化ヘモグロビン(HbA1c)の低下が見られ、血圧の改善や動脈硬化の予防にも役立つことが示されています。
 

劉志信氏の1日の食事メニュー:

朝食

  • 全粒粉または穀物入りのパン 1枚
    (クリームチーズを塗り、その上にアボカド半分とスモークサーモンをのせる)
  • 豆乳またはアーモンドミルク 1杯
  • 煮卵 1個

昼食

  • サラダ(ロメインレタス、グリルチキン、チーズ、少量のドレッシング、ナッツ類)

ドレッシングには糖分が含まれていることが多いため、摂りすぎに注意してください。

夕食

  • グリルサーモン
  • 炒めた葉物野菜
  • 鶏肉と豆腐のソテー(鶏肉を小さくカットし、豆腐と一緒に軽く焼く)
  • 玄米ご飯 1/4杯

また、彼は外食をすることも多く、「おいしいものを楽しみながら、炭水化物の量を最小限に抑えれば問題ない」と考えています。そして、「腹八分目」を心がけ、過剰なカロリー摂取を避けることで、無理なく健康管理を続けられると強調しています。
 

筋力トレーニングと有酸素運動

食事管理だけでなく、運動も血糖コントロールに効果的な方法の一つです。劉志信氏は、日常的に自宅でスクワットや、かかとを上げながら両手を伸ばす運動を行っていると述べています。また、ダンベルを使ったスクワットや腕の上げ下げも取り入れ、筋力を強化しています。特にスクワットは、体の中で最も大きな筋肉である太ももを鍛えるため、血糖管理に非常に効果的だとされます。方法としては、「1から10まで数えながらスクワットを行い、それを5回繰り返す」と紹介しています。研究では、筋力トレーニングの方が有酸素運動よりも血糖管理に優れていることが分かっています。

米国糖尿病学会は、2型糖尿病患者に対し、「最低でも1日おきに運動をすること」を推奨しています。理想的なのは、有酸素運動と筋力トレーニングの両方を組み合わせること。また、長時間座りっぱなしにならないようにし、「30分ごとに立ち上がって軽く体を動かす」ことも勧めています。

(翻訳 華山律)

Jojo
張瑛瑜