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顔や耳のしわ、唇の色で分かる心血管疾患のリスク

中医学では、耳や顔、手などのわずかな変化を観察することで、心血管系の問題やリスクを判断できるとされています。近年、その一部は科学的な研究によって裏付けられています。台湾の「翰鳴堂中医診療所」の主治医・周宗翰(しゅう・そうかん)氏は、最近の新唐人テレビ番組『健康1+1』で詳しく解説しました。

耳のしわ(耳介折れ線)

周宗翰医師によると、耳はさまざまな臓器と関係しており、特に耳たぶにできるしわ(耳介折れ線)は、大脳や心肺の循環機能とつながっています。心臓に問題があると、耳たぶに斜め45度のしわが現れることがあり、中医学ではこれを「冠心溝(かんしんこう)」と呼びます。

この耳のしわが特に目立ち、左右両耳に見られる場合は、高血圧・高脂血症・高血糖といった「三高」の兆候である可能性があり、注意が必要です。これらの症状は心血管疾患を引き起こしやすいだけでなく、肺の循環機能とも関連しており、長期的な酸素不足を示している可能性もあります。特に高齢者は、医療機関での検査を受けることをお勧めします。

西洋医学でも、耳のしわ(冠心溝)と心血管疾患の関連性は認められています。2024年に『アメリカ医学雑誌(The American Journal of Medicine)』に発表された研究では、1,000人以上の成人を対象にした調査で、耳のしわが心血管リスクの高さと独立して関連していることが確認されました。特に、両耳に深くてはっきりした、さらに付随するしわがある場合は、リスクがより高いとされています。

周宗翰医師は、「耳のしわは、心血管疾患の可能性を示すサインの一つで、早期検査や予防策を講じるのに役立ちます」と述べています。

また、「耳のしわが現れてから健康管理を始めるのではなく、40歳を過ぎたら心血管の予防とケアを始めるべき」と助言しています。40歳を超えると、体の機能が徐々に衰え、炎症や酸素不足が起こりやすくなるため、早めの対策が重要だと強調しました。
 

顔に現れる兆候

耳のしわ(冠心溝)以外にも、周医師によると、顔に現れる以下の兆候が心血管疾患と関係している可能性があります。

眉間の縦じわ(懸針紋):眉間の中央にできる深い縦じわを「懸針紋(けんしんもん)」と呼びます。臨床の現場では、この懸針紋と耳のしわ(冠心溝)の両方がある場合、心臓の異常や神経・ホルモンバランスの乱れが疑われることがあります。また、感情のコントロールが苦手な人や、ストレスで肝の機能が低下する「肝気鬱結(かんきうっけつ)」の状態がある人も、懸針紋ができやすいとされています。

鼻の根元の横じわ:目と目の間、鼻の付け根に横じわがある場合、心血管の老化や機能低下を示している可能性があります。特に、僧帽弁逸脱症や弁膜の劣化と関連していることが多いとされています。また、頻繁に眉をひそめる癖がある人にもこのしわができやすく、強いストレスを抱えているサインかもしれません。

おでこの横じわ:額に深い横じわがある人は、動脈硬化のリスクが高いと考えられています。『ヨーロッパ心臓病学雑誌(European Heart Journal)』に掲載された3,200人以上の成人を対象とした20年間の追跡研究では、額の横じわが深い人は、動脈硬化が進行している可能性があり、心血管疾患による死亡リスクも高いことが分かりました。

唇の色が暗く沈んでいる(紫がかっている):血液の巡りが悪く、体が酸素不足になりやすいのは、心肺機能に問題がある可能性があります。

唇の色が鮮やかに赤い:肝の働きが過剰(肝火旺盛)で、興奮しやすく、体に炎症が起こっている可能性があります。

唇の色が白っぽく黄色い:貧血や血流の低下が疑われます。

頬が赤みを帯びている:血圧が高めで、血管が拡張しやすい可能性があります。

こめかみに青筋が浮いている:脳の血流が悪く、頭痛や目の不調を起こしやすいです。

舌の裏の静脈が膨らんでいる:血流の滞りがあり、微小循環(細かい血管の流れ)に問題がある可能性があります。
 

指や手のひらに現れる兆候

ばち指

ばち指とは、指先が異常に膨らんだ状態を指します。これは末端の血液循環が非常に悪化していることを示し、心臓の器質的な異常(構造的な問題)を伴っている可能性があります。また、ばち指は心血管疾患だけでなく、免疫系の異常やリウマチ性疾患など、他の病気の兆候として現れることもあります。

母指球

母指球は、手のひらの親指の付け根にある盛り上がった部分を指します。健康な状態ではピンク色をしています。

  • 青みがかっている:胃腸の機能が弱く、冷えやすい状態。消化吸収が悪く、腹痛が起きやすいです。
  • 紫がかっている:心臓の調節機能が不安定な可能性があります。
  • 青紫色に近い:体のバランスが崩れ、病気のリスクが高まっている可能性があるため、中医学による体質改善を検討するとよいでしょう。
     

心臓を守る4つのツボ

周医師は、胸骨と4つのツボを定期的に刺激することが、心血管の健康維持に役立つと提案しています。

胸骨マッサージ:片方の手を拳にして胸骨に当て、もう一方の手で包み込むように支えながら、上から下へゆっくり押すことで、胸骨周辺の複数のツボを刺激し、免疫調整や心肺の循環を促進することができます。

極泉(きょくせん):脇の下の最も深い部分を親指で外側から内側に向かって押すことで、心肺の血液循環を改善し、胸の詰まりを和らげることができます。

合谷(ごうこく):手の甲の親指と人差し指の骨が交わるくぼみを反対の手の親指でしっかり押すことで、胃腸の働きを助けるとともに、心肺の循環を促進できます。

合谷(大紀元)

 

内関(ないかん):手首の内側、2本の腱の間(手首のしわから指3本分下)を親指で軽く押しながら腹式呼吸を行うことで、心臓の調整や心拍の安定に役立ちます。

内関(大紀元)

 

労宮(ろうきゅう):手のひらの中央を親指で押すか、軽く拳を作って押し当てることで、神経を落ち着かせ、血流を促進し、ストレスを緩和することができます。

労宮(大紀元)

 

心臓を守る2つの動作

胸を開く運動(拡胸运動):両手を後ろに伸ばして胸を開くことで、胸骨を広げ、心肺の循環を促進することができます。

腹式呼吸:ゆっくり息を吸い込み、お腹までしっかり空気を送り込み、その後ゆっくり吐くことで、神経や内分泌の調整を助け、心肺の循環を促します。

★丹参と鶏肉のスープ

周医師は、心臓の健康維持に役立つ「丹参と鶏肉のスープ」を週に1回摂取することを推奨しています。

  • 材料:土鶏(地鶏)半羽(ぶつ切り)、丹参(たんじん)10g、黄耆(おうぎ)10g、麦門冬(ばくもんどう)10g、甘草6g、赤棗(なつめ)5個、老姜(乾燥ショウガ)3枚、料理酒50ml、水3000ml
     
  • 作り方:鶏肉に生姜を加えて下ゆでし、その後、鍋に下ゆでした鶏肉と水、料理酒を入れ、漢方食材を加えて強火で沸騰させます。沸騰したら弱火にし、約40分煮込んだ後、塩で味を調えれば完成です。

このスープに使われる漢方食材は、健康食品店やアジア系の食材店で購入できます。ただし、体質が人それぞれ異なるため、具体的な治療については専門の医師に相談することをおすすめします。
 

(翻訳編集 華山律)

英文大紀元が提供する医療・健康情報番組「健康1+1」の司会者を務める。海外で高い評価を受ける中国の医療・健康情報プラットフォームであるこの番組では、コロナウイルスの最新情報、予防と治療、科学研究と政策、がんや慢性疾患、心身の健康、免疫力、健康保険など、幅広いテーマを取り上げている。
林一山