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血圧降下作用
ナットウキナーゼは収縮期血圧と拡張期血圧の両方を下げる可能性も示しており、納豆は心血管疾患の重要な危険因子である高血圧の予防と治療に効果的です。
86人の参加者を対象とした無作為二重盲検試験では、1日2000FU(酵素の活性をあらわす単位)のナットウキナーゼを8週間摂取した人は、プラセボを摂取した人よりも血圧が低かったという結果が出ています。
3.抗がん作用
『国際生物化学研究』(Biochemistry Research International)誌の研究レビューによると、豆類には大豆イソフラボンなどの化合物や栄養素が豊富に含まれており、抗がん作用があることが判明しています。日本の研究では、納豆の摂取量と胃がん死亡率との間に逆の相関関係がある(すなわち、摂取量が多いほど死亡率が低い)ことが、特に女性において認められています。
さらに、13の疫学研究の包括的なメタアナリシスでは、大豆の摂取と結腸がん罹患率の減少との間に相関関係があることが示されました。別のメタアナリシスでは、ヒトのエストロゲンの作用を模倣または調節する植物性物質である大豆イソフラボンの保護作用が強調され、結腸がんのリスクを有意に減少させたことが示されています。
結腸がんだけではなく、イソフラボンは前立腺がんに対する予防効果も示されています。研究によると、日常的な食事に含まれるイソフラボンの濃度が低いと前立腺がんに対する相乗効果を生み出す可能性があるといいます。さらに、前立腺組織はイソフラボンを潜在的な抗がん作用を示す可能性のあるレベルまで濃縮することができます。
4.腸の健康を促進する
納豆には食物繊維が豊富に含まれており、腸の働きを整えるのに不可欠です。
さらに、納豆はプロバイオティクスの優れた供給源です。この納豆菌は納豆製造の発酵プロセスで一般的に使用されています。枯草菌の一種の納豆菌はプロバイオティクスとして大きな可能性を示しており、マウスの肥満や代謝障害の予防に役立っています。
腸内のプロバイオティクス(乳酸菌など)の量を増やすだけでなく、ラットの腸内細菌叢のアンバランスも調整します。これにより、腸内細菌叢の健康的なバランスが維持され、消化が促進され、栄養吸収が促進され、胃腸障害が緩和されます。
5.免疫力を高めるスーパーフード
私たちの胃腸内細菌叢の安定性は、特に免疫の安定性を調節するという点で、免疫の健康と密接に関係しています。
フランスで行われた二重盲検試験では、60歳から74歳の被験者100人を無作為に2つのグループに分け、一方には納豆菌を、もう一方にはプラセボを投与しました。4ケ月間にわたり、納豆菌を摂取したグループは、プラセボグループよりも呼吸器感染症のリスクが55%低かったのです。
6.天然の減量サプリメント
納豆に多く含まれる食物繊維は、健康増進と体重減少につながります。さらに、プロバイオティクスの摂取は体重を著しく減少させるため、納豆は減量努力に役立つ追加物質となります。
日本の研究では、4週間納豆を与えたマウスは内臓脂肪が有意に減少し、糖質代謝が促進され、酸化ストレスが減少しました。
7.骨の強化と骨粗鬆症の予防
納豆はカルシウムが豊富で、そのγ-ポリグルタミン酸(納豆にあるネバネバの粘着成分)はカルシウムの吸収を促進します。
「納豆にはビタミンK2も多く含まれており、カルシウムを引き寄せる骨形成タンパク質を活性化することで骨の健康を維持します」と、ロサンゼルスを拠点とする「医学インスピレーション日報」(Medical Inspiration Daily for Stronger Society)の管理栄養士、イェレナ・ウィーラー氏はエポック・タイムズ紙に語っています。
日本では、ビタミンK2は骨粗鬆症の治療薬として認可されています。 日本の研究では、納豆は閉経後の女性の骨粗鬆症予防に役立つ可能性のあるメナキノン-7を多く含みます。
納豆を摂取してはいけない人は?
妊娠中の女性、授乳中の女性、子供は、食事に納豆を取り入れる前に医師に相談することをお勧めします。また、次のような人は納豆の摂取を避けるべきです。
• 血友病などの特定の血液疾患のある人。 納豆には血栓を分解する可能性があり、血液をサラサラにする作用があります。
• ワーファリン(抗凝固剤)や降圧剤を服用している人。 納豆の特性はこれらの薬と相互作用する可能性があるため、注意が必要です。
• 大豆アレルギーのある人。
特定の血液疾患やアレルギーのある人、特定の薬を服用している人は注意が必要ですが、納豆が万能で非常に有益なスーパーフードである可能性を示唆する証拠は豊富にあります。納豆のユニークな性質を受け入れ、その豊富な健康効果を解き放つ時が来たのかもしれません。
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