サツマイモは健康食品? それとも血糖値を上げる落とし穴?

多くの方から、「劉院長、サツマイモはデトックスに良い食べ物ではないのですか? なぜ食べた後に血糖値が急上昇するのでしょうか?」と質問されます。

先月、ある患者さんの糖化ヘモグロビン(HbA1c)は6.2前後で推移しており、かなり安定していました。そこで、より正確に血糖値を把握するため、CGM(持続血糖モニタリング)を装着していただきました。

すると、その患者さんはコンビニで「大きなサツマイモ」を1本買い、昼食代わりに食べました。すると間もなく血糖値は200mg/dLを超えてしまったのです。データを見た患者さんは冷や汗をかき、「健康食品」だと思っていたものが、これほど血糖値を大きく変動させるとは思いもしなかったと驚いていました。

サツマイモは確かに食物繊維やビタミンA、カリウムなどを豊富に含む栄養価の高い食品です。しかし、本質的にはデンプン(糖質)であることを忘れてはいけません。健康的に食べ、体に負担をかけないためには、ぜひ知っておいていただきたいポイントがあります。

サツマイモは調理方法によってGI値(グリセミック・インデックス)が変わります。(劉博仁医師提供)

 

1. 調理方法によって血糖値への影響は大きく異なります

サツマイモは調理方法によってGI値(グリセミック・インデックス)が大きく変化します。

  • ・焼き芋(血糖値に注意):焼き芋は最も香りが良く甘みも強いですが、高温で焼く過程でデンプンが糊化し、一部が麦芽糖へと変化します。長時間焼くほどGI値は高くなり、血糖値も最も急速に上昇します。
     
  • ・蒸したサツマイモ・ゆでたサツマイモ(比較的安心):オーブンより調理温度が低く、水分も多いため、デンプンの構造が比較的安定しています。そのため、焼き芋より血糖値への影響は穏やかです。
     
  • ・冷やしたサツマイモ(おすすめ):加熱後に冷蔵庫で冷やしてから食べると、「レジスタントスターチ(難消化性デンプン)」が生成されます。このデンプンは小腸で吸収されにくく、血糖値の変動が最も穏やかになります。また、腸内の善玉菌のエサにもなります。

2. 糖質を摂り過ぎない、サツマイモの適量とは

コンビニで売られている大きなサツマイモは200~300gもあることが多く、1本食べると、含まれる糖質量は白米茶碗1.5~2杯分に相当します。

  • 目安:サツマイモは「握りこぶしの半分程度」または「パソコンのマウスくらいの大きさ」(約100~110g)を目安に選ぶことをおすすめします。
     
  • 上手な置き換え方:サツマイモは「主食」であり、「副菜」や「おやつ」ではないことを覚えておきましょう。この食事でサツマイモを食べる場合は、ご飯や麺類は控えましょう。

3. サツマイモは食事の”脇役”にして血糖値の上昇を穏やかに

  • 脂質やたんぱく質と一緒に食べる:サツマイモを食べる際は、良質なたんぱく質(卵、鶏肉、スペアリブなど)や良質な脂質(オリーブオイル、アボカドなど)を組み合わせましょう。脂質とたんぱく質はデンプンの胃からの排出速度を遅らせる働きがあります。
     
  • 野菜と組み合わせる:サラダにサツマイモを角切りにして加えると、豊富な食物繊維が糖質の吸収を穏やかにしてくれます。
     
  • 雑穀ご飯に混ぜる:ご飯を炊く際にサツマイモを加えることで、食感が良くなるだけでなく、白米だけを食べる量を自然に減らすことができます。
     

ワンポイントアドバイス

絶対に食べてはいけない食品というものはなく、「食べ方が適していない」だけです。血糖値が上がりやすい方は、「サツマイモは健康に良い」と聞いてそのまま食べるのではなく、食べ方を工夫し、CGM(持続血糖モニタリング)も活用しながら、自分に合った量や調理方法を見つけることをおすすめします。

サツマイモが好きなご家族やご友人にも、ぜひこの記事を共有してください。「健康のため」という善意が、「健康への負担」にならないようにしましょう。

(本文は、「劉博仁栄養機能医学専門医」のFacebookへの掲載内容について許可を得て抜粋・編集したものです。)

(翻訳編集 解問)

劉博仁