防衛省 認知戦を安全保障上の重要課題に 戦略的コミュニケーション強化へ
SNSやAI技術の発達により、武力だけでなく人々の認識や心理に影響を与える「認知戦」が、安全保障上の重大な課題となっている。防衛省が令和8年6月に資料を公表し、その中では、認知戦に対する危機感と、これを踏まえた戦略的な情報発信のあり方が示された。
防衛省は、ロシアによるウクライナ侵略を認知戦の典型的な事例として挙げている。ロシアは、西側メディアを模したなりすましサイトや偽のSNSアカウントを用い、「ウクライナ人が自国の都市を砲撃している」「NATOはウクライナを見捨てる」といった捏造記事を拡散した。また、ゼレンスキー大統領が降伏を呼びかける精巧なディープフェイク動画を流布し、一時的な混乱と不信感をあおった。
そうした認知戦に対し、ウクライナ側も戦略的な発信で対抗。政府公式アカウントを通じてリアルタイムの情報提供を行ったほか、広告代理店と協力し、国民の勇敢さをたたえるブランド戦略を展開した。さらに、偽情報の監視などを担う「戦略的コミュニケーション・情報安全保障センター(SPRAVDI)」を設立し、偽情報対策を進めた。
関連記事
小泉進次郎防衛相は、退職自衛官と家族を支援する新組織の創設に意欲を示した。隊員数が22万人を下回るなか、再就職や給付、医療・家族支援を一元化し、人材確保と離職抑制を図る
航空自衛隊は9月9日から、F-2A戦闘機3機を初めてインドへ派遣し、印空軍との共同訓練「ヴィーア・ガーディアン26」を実施する。日印戦闘機の相互訪問が実現し、防衛協力は陸海空で深化する
小泉防衛相は自衛隊の戦傷医療能力を高めるため、厚労省との協力体制構築を要請した。有事の救命、PTSD対策、リハビリ、民間医療との連携を含め、年内改定予定の安保3文書への反映を目指す
防衛省統合幕僚監部は、中国共産党(中共)軍とロシア軍の情報収集機が9月5、6の両日、日本周辺を飛行したため、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進したと発表した。
小泉防衛大臣は4日、民間財団の提言で示された外国人の自衛隊への登用については、「自衛隊の外国人の登用は考えていない」と明確に否定した。