異例のNATO約30か国大使の一斉訪日 深まる日本との関係と米欧の不協和音
NATO(北大西洋条約機構)の本部に駐在する約30か国の大使が、今月中旬に一斉に日本を訪問する方向で調整が進められているとNHKが9日報じた。外交の現場において、これほどの規模の集団訪問は極めて異例の事態である。
NATOは現在32か国が加盟する軍事同盟であり、日本はそのメンバーではない。それにもかかわらず加盟国のほぼ全大使が東京に足を運ぶ背景には、ここ数年の日本とNATOの急速な関係強化がある。2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻以降、当時の岸田首相は「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない」と警鐘を鳴らし、欧州の戦火をアジアの安全保障と直結させた。その後、2022年6月の日本の首相による初のNATO首脳会合出席、2023年7月の「日・NATO国別適合パートナーシップ計画(ITPP)」締結、そして2025年1月の政府代表部の独立開設など、両者の関係は加速度的に深まっている。
今年に入ってからも、3月にシェケリンスカ事務次長が訪日して防衛産業の現場を視察し、4月には船越外務事務次官がNATO首席補佐官と協議を行うなど、活発な動きが続いている。
関連記事
政府は10月1日、サイバー対処能力強化法とサイバー対処能力整備法の一部を施行し、重大なサイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」の運用を開始した
日米共同演習「キーン・ソード27」が10月19~29日に行われる。自衛隊約4万5千人が参加予定で、前回より規模を拡大。フィリピンや欧州各国の軍も実施部隊等に加わる。特定の国は演習の相手として明示していない
自衛隊がインドネシアの山林火災で、海外初となる消火任務を終えた。CH-47輸送ヘリ3機で40回超の活動を行い、約220トンを放水。火災が続くなか、現地側が自力で対応可能になったことを受け、撤収する
小泉防衛相は29日の会見で、広島・長崎の惨禍を繰り返さない決意を示す一方、侵攻を防ぐ抑止力の必要性を訴えた。非核三原則などをめぐる「タブーなき議論」には被爆地から反発も出ている
日本政府は安全保障政策の見直しを加速させている。AIやドローンなどの「新たな戦闘方式」が、「安保3文書」改定の重要な課題となる。元自衛官の矢野義昭教授は、2026年版「防衛白書」が3文書の改定に向けた重要な参考資料になるとみている