2026年2月20日、衆議院本会議で施政方針演説を行う高市総理(出典:首相官邸ウェブサイト)

高市施政方針 中共の脅威言及 新政策推進と防衛強化へ

2月20日、高市早苗首相は就任後初の施政方針演説を行った。演説では、中国共産党(中共)当局が地域の安全保障に影響を与えているとの認識を示し、防衛戦略の見直しや装備移転の運用緩和、重要サプライチェーンの強化に取り組む方針を表明した。

演説は約1万2千字に及び、「責任ある積極財政」と「国家安全保障の強化」を二つの柱に据えた。高市氏は、日本が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面しているとの認識を示した。

高市氏は「中共は、東シナ海・南シナ海での力、又は威圧による一方的な現状変更の試みを強化するとともに、我が国周辺での軍事活動を拡大・活発化させている」と述べた。

また、中共による威圧的な動きが強まっていると懸念を示し、中国とロシアが軍事的連携を強化し、それが宇宙・サイバー空間にも広がっていると示した。そのうえで、日本として防衛の考えを抜本的に見直す必要があると指摘した。

政府は年内に安保3文書を改定し、新たな防衛戦略を策定する方針で、防衛費の増額や防衛装備移転三原則の見直しを加速させ、防衛産業基盤の強化を図ると伝えた。合わせて、内閣に国家情報会議を設置し、自ら主導して省庁横断の情報統合と分析能力を強化する意向を表明した。

高市氏はサプライチェーンと経済安全保障の強化を掲げ、レアアースなど重要鉱物の分野で特定国への依存を減らしていく考えを明らかにした。こうした政策の背景には、中共を念頭に置いているという見方が出ている。

演説中、高市氏は「サプライチェーン上流の物資を管理下に置くことで、自国の主張に他国を従わせようとする経済的威圧の動きが顕在化している」と述べ、「我が国の戦略的自律性・不可欠性を確保する必要性が、一層増大している」と指摘した。

経済政策については「強い経済」の実現を掲げ、「成長のスイッチを押して行く」と表明した。長年続いてきた過度な緊縮志向、未来への投資不足の流れを断ち切る姿勢を強調した。

政府は同日、一般会計総額約122兆円の新年度予算案を国会に提出し、3月末までの成立を目指している。

最新の世論調査では、高市内閣の支持率は73%で、前週から6ポイント上昇した。また、52%が長期政権に前向きな評価を示したという。

関連記事
外国為替市場で円安が進行する中、片山財務大臣は「投機的な動きには断固として強い措置をとれる」との姿勢を示し、為替の過度な変動に対して警戒感を強めている。連休中も米国当局と緊密に連絡を取り続ける考え
高市早苗首相は24日、衆院厚生労働委員会で健康保険法などの改正案を巡る審議に出席し、現役世代の社会保険料負担について「現役世代の保険料率の上昇を止めて、引き下げていく」と強調した。
同志社国際高校の修学旅行生が巻き込まれ、17歳の生徒が死亡したボート転覆事故をめぐり、参政党の梅村みずほ議員が国会で安全管理や平和教育のあり方について問題を提起した。
国家情報会議設置法案が23日、衆院を通過した。与党に加え、中道改革連合や国民民主党などの賛成多数で可決され、今国会で成立する見通しとなった。
財務省と経済産業省は22日、アジア系投資ファンドのMBKパートナーズに対し、牧野フライス製作所の買収(TOB)計画を中止するよう外国為替及び外国貿易法(外為法)に基づき勧告した。防衛産業の基盤となる工作機械技術の流出懸念が背景にあり、異例の対応となった。