GettyImages

中国鉄鋼業 出口なき過剰地獄 世界鉄鋼協会「危機的水準」

世界鉄鋼協会は最近、中国の鉄鋼産業において、積年の課題である過剰生産がいっそう深刻化していると指摘した。主な理由は、中国のマクロ経済が鉄鋼業と密接に結びついており、生産削減を目的とした直接的な政策はいずれも、地方経済や雇用、さらには上流の原材料産業にまで連鎖的な打撃を与えるためである。同時に、11月の中国の対米輸出は二桁台の大幅減少が続いている。最近、両国間で貿易協定が締結されたにもかかわらず、中国の輸出低迷は止まっていない。

世界鉄鋼協会のエドウィン・バッソン事務局長はブルームバーグに対し、中国の鉄鋼業は過去20年間にわたり急速に拡張し、粗鋼の年間生産量は近年、10億トンという高水準を維持してきたと述べた。しかし、不動産市場の低迷と国内需要の弱さにより、鉄鋼業は新たな構造的な生産過剰の局面に直面しているとしている。

中国共産党(中共)政府は2016年から2020年の間に、一部の老朽化した製鉄所を閉鎖したものの、地方政府が鉄鋼企業に財政収入を依存していることに加え、民間・国有企業が交錯する産業構造になっている。また、雇用への圧力などが重なり、全国的な鉄鋼生産量は依然として高止まりしており、過剰問題は解消されていない。

▶ 続きを読む
関連記事
昨年、中国からの資金流出が推定で1兆400億ドルと過去最高。中共当局は越境証券取引の取り締まりを強化し、米国株など海外市場への投資ルートを締め付けている
発がん性が指摘されているにもかかわらず、中国では今も販売されている嗜好品「ビンロウ(檳榔)」。広州で予定されていた文化展は「なぜ宣伝するのか」との批判を受け中止となった
中共が近年、新疆ウイグル自治区などの辺境の砂漠地帯で、核軍事施設のネットワークを急速に建設・拡大している。同地域が長年にわたり大規模な核実験の舞台とされてきた背景には、中共による「民族浄化」政策が存在する
ノルウェーで「国内で最も美しく、最も高価な公衆トイレ」として知られる建築作品が、中国共産党によるスパイ活動への利用が懸念されるとして、当局により閉鎖された。
中国の著名大学に所属する生命科学分野の学者らに、論文不正疑惑が浮上している。中国科学院の元博士課程学生は、研究成果の収奪や論文署名をめぐる学術界の実態を証言した