毎日一生懸命働き、借金を避け、貯蓄に励んでいると、やがて「どれくらいの資産があれば裕福と言えるのか」「裕福の基準とは何か」と疑問を抱くようになります。
賛否が分かれる人物ではありますが、人気ポッドキャスターのジョー・ローガンは、自身の「裕福さ」に対する考え方として、「レストランで外食しても、次の支出にストレスや罪悪感を感じないとき、自分は経済的に成功していると実感する」と語っています。
ローガンの純資産は現在約2億ドルとされています。イーロン・マスクの資産には遠く及ばないものの、それでも一般の人と比べれば圧倒的に裕福です。
重要なのは、「裕福さの基準」は人によって異なり、主観的であるという点です。実際、アメリカでは年収が6桁(10万ドル以上)ある人の半数以上が、収入をすべて使い切る生活をしているといわれています。では、自分は本当に裕福なのか、それとも自分が思っている以上に裕福なのかを、どのように見極めればよいのでしょうか?
Gobankingratesは、「あなたが多くのアメリカ人より裕福であることを示す7つの特徴」を挙げています。
1. 所得が中央値を上回っている
収入は資産形成の基盤となります。
ClearsuranceのCEOであり、認定ファイナンシャルプランナーのジョエル・オーマン氏は、「アメリカの世帯所得の中央値は約7万5,000ドルです。つまり、あなたの所得がこの水準を超えていれば、国民の半数以上よりも高収入だということになります」と述べています。
ただし、実際にどれだけ資産を形成できるかは、住む地域の生活費によって左右されるため、「地域の中央値所得(AMI)」を基準に判断する方が現実的です。

2. 貯蓄目標を達成している
高収入であっても、支出が収入を上回れば資産は増えません。そのため、裕福さを測るより正確な指標として「銀行口座の貯蓄額」が重要です。
オーマン氏は「もしあなたの収入が中央値以上で、貯蓄が年収の4倍あり、しかもまだ20代であるなら、あなたの財政状況は極めて優れているといえます」と述べています。
一般的な目安としては、30歳で年収と同額、40歳で3倍、50歳で6倍、60歳で8倍、67歳で年収の10倍の貯蓄が望ましいとされています。
複数の調査では、アメリカ人の半数以上がこの基準に達していないとされており、10年以内にこれを達成できる人は富裕層でなくとも「準富裕層」と見なされる可能性があります。

3. 借金に苦しんでいない
資本市場アドバイザーのベン・リチャードソン氏は、「借金や高額請求に追われていないのであれば、あなたは想像以上に裕福です」と指摘します。
SoFiの認定ファイナンシャルプランナー、ケンドル・ミード氏も「『豊かさ』の定義は人によって異なります。快適な生活を送るための余裕があることを意味する人もいれば、一定の収入や資産の目標を達成すること、あるいは自由に職業を変えたり引退したりできる状態を指す人もいます」と述べています。

4. 次の給料を待たずに生活できる
リチャードソン氏は「現在の経済環境やインフレの影響により、多くの家庭が給料に依存して生活しています」と述べています。給料日まで生活が成り立たない状態でなければ、それは明確な経済的余裕の表れです。
5. 投資に回せる資金がある
リチャードソン氏は「老後資金や緊急時の予備資金が十分にあり、貯蓄目標も達成しているのであれば、投資に充てられる資金があるということです」と説明しています。
副業によって収入を増やす人も多くいますが、「好きなときに投資でき、パッシブインカム(不労所得)を得られる状態」にあるのは、まさに裕福さの象徴だといえるでしょう。
6. 気軽に旅行に行ける
リチャードソン氏は「特に海外旅行は、贅沢なライフスタイルの象徴とされています」と話します。貯蓄がなく、毎月ギリギリで生活している人にとって旅行は夢のような存在です。もし航空券やホテルをためらわずに予約でき、旅費も負担にならないのであれば、あなたは自覚している以上に裕福です。

7. 衝動買いができる余裕がある
リチャードソン氏は「貯蓄を崩さずに高級品を購入できるのであれば、あなたはかなり豊かな状態にあるといえます」と述べています。
ジョー・ローガンの言葉にもあるように、多額の資産がなくても、金額を気にせず気軽に外食できる余裕があるだけで、すでに「裕福な感覚」を味わっているといえるでしょう。
裕福かどうかの基準は「数字」なのか「気持ち」なのか
裕福さを感じるかどうかは、その人の価値観によって異なり、客観的に評価するのは難しいものです。もし意識を「不足」から「豊かさ」へと変えたいのであれば、まずは物事の捉え方を見直すことが大切です。
また、よりシンプルな判断方法として、「自分の収入はいくらか」「銀行口座にどれくらいの貯蓄があるか」を明確にすることも有効です。その答えが、他の人と比べて自分がどの程度裕福であるかを判断する手がかりになります。
(翻訳編集 正道勇)
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