鉄鋼大手3社 2026年3月期は大幅減益見通し 中国の過剰生産と米関税が影響
鉄鋼大手3社である日本製鉄、JFEホールディングス、神戸製鋼所の2026年3月期連結業績予想が12日、出そろった。各社ともに最終利益が前期比で大幅な減益となる見通しを示している。背景には、中国の鉄鋼過剰生産による市況の悪化と、米国のトランプ政権による関税措置の影響がある。
日本製鉄は、2026年3月期の最終利益が前期比42.9%減の2,000億円になると予想している。中国の鉄鋼過剰生産による国際価格の下落や、米国の追加関税政策が大きな打撃となっている。日本製鉄は「米国の関税政策が国内外の顧客に与える間接的な影響は甚大」としつつ、サプライチェーン全体への影響を定量的に把握するのは困難だと説明している。
JFEホールディングスも、2026年3月期の最終利益が前期比18.4%減の750億円となる見通しを発表した。3期連続の減収となる見込みで、米国の関税政策や中国の輸出増加が収益圧迫の要因として挙げられている。
関連記事
東京株式市場の前場で日経平均が下げ幅を拡大し、一時800円超の下落を記録。米株高後の過熱感から利益確定売りが膨らみ、植田日銀総裁の講演を前に投資家が警戒
金価格の高騰を背景に、日本への金の密輸が3年連続で急増している。片山さつき財務大臣は28日、税関で申告のない金について没収を可能とする制度改正を明らかにした。不正薬物以外の没収対象化は初めてであり、財務当局が金密輸を従来より深刻な脅威と捉えていることがうかがえる
ソニーや三菱自動車など多くの日本企業が中国で事業縮小や撤退を進行中。生産拠点は東南アジアやインドへの移転が目立つ
高市首相は、日米が南鳥島周辺海域でレアアース鉱物の共同開発を検討すると発表。経済・安全保障の強化を目的に日米が協定を締結し、中国依存脱却を目指す。
9月貿易統計では、半導体関連の輸出回復により5カ月ぶりの増加が確認されたが、輸入がそれを上回り、貿易赤字は3か月連続となった。円安進行が輸出企業の追い風となる中、高市早苗氏の政策スタンスが市場で注目を集めている。