不動産大手の碧桂園のサイン (Photo by PEDRO PARDO/AFP via Getty Images)

不動産が支える中国経済の危機…当局の主眼は救済より「市場のコントロール」

巨額の負債を抱える中国の不動産大手・碧桂園は最近、遅れていた2250万ドル(約32億円)のドル建て債券の支払いを完了した。しかし、これだけでは投資家たちの不満はほとんど解消されていない。SNSや動画での報告によれば、「購入した住宅が手に入らない」と抗議する投資家たちの動画が拡散され続けている。

不動産会社の債務不履行や突如の口座凍結、公務員の給与未払い、ストライキなど、中国共産党政権の要となる「安定維持」のコストが増加している。一方、中国政府関係者は、不動産への救済は主目的ではなく、市場の管理能力を維持することが最大の関心だと述べている。

英フィナンシャルタイムズの取材に応じた匿名の関係者は、中国政府が不動産資産に基づく負債の救済に熱心ではないと指摘。北京は停滞する不動産セクターを支援する意向はなく、市場をコントロールする力を維持することだけを目指していると語った。

▶ 続きを読む
関連記事
中国の自動車各社で2026年上半期の減益・赤字が相次いだ。BYDは純利益が前年同期比20.5%減。値下げ競争と需要鈍化で収益が悪化し、主要5社の損失は計約2810億円に上った
中国の航空大手6社が上半期に計123億4000万元の純損失を計上した。燃料価格の高騰に加え、旅客需要や航空券価格も低迷。夏の繁忙期には2022年以来初の旅客数減少が予測されている
中国経済の減速が深刻化している。不動産市場の急落や消費低迷、デフレ圧力が強まるなか、債務残高は対GDP比で300%を突破。従来の投資主導策が限界を迎えるなか、当局が活路を託す先端技術・AI戦略の行方を追う
中国を製造大国へと導いた元首相・朱鎔基の足跡を辿る論評。WTO加盟や税制改革など現代の繁栄を築いた剛腕の功績と痛みを振り返り、現体制下で進む改革の形骸化を通じて全体主義の危うさを問い直す
中国で2025年、たばこ・酒販売店約32万店が撤退し、店舗数は前年比19%減少した。EC即時配送や新業態との競争、逆ざや、固定費高騰が経営を圧迫している