【歌の手帳】夢のあと
夏草や兵(つはもの)どもが夢のあと(奥の細道)
歌意「夏草が生い繁る、この奥州の地へ来ている。ああ、ここで往時の武者たちが激しい戦いを繰り広げたことも、もはや夢の跡のようだなあ」。
松尾芭蕉が『奥の細道』の旅で、平泉の高館(たかだち)に至ったのは旧暦5月中旬でした。
兄・頼朝の追撃を受けた源義経が、最後の戦いを見せた後、壮絶な自刃を遂げたその場所に立つ芭蕉。杜甫「春望」の名句「国破山河在、城春草木深」を引いて、「国破れて山河在り、城春にして草青みたり」と詠じます。
この有名な一節の後に続く芭蕉の姿が、私は大好きです。「笠うち敷きて時のうつるまで泪(なみだ)を落し侍りぬ」。
芭蕉は懐古の人です。杜甫とも、義経とも、芭蕉は直に対話できるのでしょう。
(聡)
(読者の皆様へ)下のコメント欄へ、ご自作の「短歌」「俳句」をお寄せください。歌にまつわるお話も、ぜひお書き添えください。皆様とともに作り上げる、楽しいコーナーにしたいと願っております。なお、狂歌や川柳は、また別の機会とさせていただきます。お待ちしております!
関連記事
寒い季節こそ、ゆったり過ごし心身を整えるチャンス。睡眠や食事、メンタルケアで冬を快適に楽しむ方法をご紹介します。
50年以上前から次世代の食料として研究されてきたオキアミ(プランクトン)。クジラなどの海洋性生物にとっては生存のための原初的な存在だ。そのオキアミからとれるオメガ3が注目されている。本文にあるようにオメガ3は人の健康にとっても有益なものだ。クリルオイルは、オメガ3と抗酸化成分が豊富で人気のある健康補助食品。フィッシュオイルに比べてコストが高い点が難点だが……
仏に対抗しようとした調達が、暗殺未遂や陰謀を重ねた末、地獄に堕ちるまでの報いの物語。
「犬に散歩される」気の毒な飼い主たち、笑っちゃってゴメンの面白動画→
過度な運動や減量で陥りやすい「低エネルギー可用性」。エネルギー不足が体に与える影響とその対策について、専門家のアドバイスを交え解説します。