米国家情報長官、「中国が米選挙に介入した」と主張 CIA上層部から圧力も
ラトクリフ米国家情報長官は、米議会宛ての書簡の中で、中国当局は2020米国選挙に介入したと指摘し、また、中央情報局(CIA)の上層部が中国当局の選挙介入に関する情報を抑制したと非難した。
長官は書簡で、情報機関の分析監察官、バリー・ツーラオフ(Barry Zulauf)氏が作成した報告書を引用した。報告書は、トランプ大統領の政策に賛成しない一部のアナリストが、中国当局の行動を米選挙の干渉と認定したくないため、選挙に対する中国当局の影響力を軽視したとの見方を示した。
また、長官によると、中国当局の介入があったと主張するアナリストに対して、CIAの上層部は、その主張を撤回させるよう圧力をかけていた。
米紙ワシントン・エグザミナーは1月7日、ラトクリフ長官の書簡とツーラオフ氏の報告書を公開した。
ラトクリフ長官は大紀元の取材には応じなかった。
ワシントン・エグザミナー紙によれば、ツーラオフ氏が作成した報告書は7日、国会に提出された。また、米情報機関がまとめた2020年米大統領選挙に対する外国勢力の介入に関する報告書も同日議会に出された。
ラトクリフ長官は書簡の中で、長官として米政府の中国当局に関する最も機密性の高い情報に触れることができると強調し、「情報機関のアナリストの見解が大統領選に影響を与えた中国当局の企みを、全面的かつ正確に反映したと考えていない」と示した。
ツーラオフ氏の報告書は、米情報機関のアナリストが、ロシアが「明らかに介入した」と結論づけた一方、中国に関して同様に評価していないと指摘した。原因は、一部のアナリストはその分析結果によって、トランプ大統領の政策が支持されるのを目にしたくないからだという。ツーラオフ氏は報告書の中で、独立性に欠けるアナリストの分析基準を批判した。
ツーラオフ氏の報告書とラトクリフ長官の書簡は、中国当局による米選挙への介入に関する詳細は示していない。
ツーラオフ氏の報告書から、情報機関のアナリストが中国による介入を分析する際、問題を政治化していることがうかがえる、と長官は指摘した。
(翻訳編集・張哲)