10月13日、ネパールに到着した習近平中国主席。娘たちと共に出迎えたネパールのバンダリ大統領(PRAKASH MATHEMA/POOL/AFP via Getty Images)

ネパール政府、中国の「容疑者引き渡し条約」を拒否 

10月中旬、中国習近平主席が南アジア諸国を訪問した。チベット亡命者を多数受け入れるネパールでは、習氏の滞在期間中に、両国の容疑者引き渡し条約を締結する予定だとみられていたが、ネパール政府は合意を見送った。

ヒマラヤ山脈南の麓の国ネパールは、中国チベット自治区と長い国境線を有している。ネパールには、中国当局の弾圧から逃れてきた2万人のチベット人が住んでおり、ダライ・ラマ14世に会うために毎年数千人が往来する。中国政府は、ダライ・ラマ14世および同氏を精神指導者とするチベット亡命者を「分断主義」と糾弾して、亡命者に協力する関係国に圧力を加えている。

現地紙カトマンズ・ポストによると、習近平氏の来日前、警察は現地のチベット人を十数人拘束した。同紙はチベット人活動家の話として「すべての市民には政治的な意見を持つ権利がある。正しい立場を取らない場合、ネパール政府の外交に異議を申し立てることも可能だ」と伝えた。

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