4月16日の熊本地震で、国重要重要文化財の楼門と拝殿が全壊した。今まで何度も訪れたことがあり、気がかりだったので、震災から1カ月後に状況を見に行った。
阿蘇神社方面へ向かう国道57号線は立野地区が道路補修のため通行できず代替ルートを通って行く。豊肥線も一部、運行出来ない区間があり、この地域の人たちの不便さを肌で感じた。
阿蘇神社に着くと、思っていたより多くの観光客が来ていた。楼門は無残にも崩壊していたが、安全のため柵がめぐらされ、観光客に危険が及ばないよう対策がされている。訪れた人たちは皆、熱心に崩れ落ちた楼門を写真に収めていた。歴史的な震災を記録しようとしているように見えた。
阿蘇神社から門前町を歩く。門前町はほとんどの店が営業を再開していた。神社近くの食堂で昼食をとり、店の方に話を聞いた。「震災前に比べると観光客は減りました。でも、『観光もボランティアの一つと考えて遊びに来ました』という人が結構 来られます」とのこと。確かにその通りだと思う。
阿蘇神社には年間50万人~60万人の観光客が訪れる。この地域の重要な観光スポットだが、復興は10年の長期にわたり、20億円もの資金が必要だといわれている。被災地の方を勇気づけられるよう、より多くの人に観光に来てもらい、復興までの足取りを見てほしいと願う。
(文・佐吉)
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