【大紀元日本8月27日】漢方医学の本場である中国では近年、漢方生薬の市場価格が大幅に上昇している。生薬の品目によっては、末端価格が数倍に上昇したものもある。大幅な値上がりに、消費者は「吃不起」(高すぎて手が出ない)と不満を漏らしている。
「銀川夕刊」によれば、ある女性患者は「3年前に15元で買えた薬が、いまは56元に値上がりした」と話す。この患者は毎月4回この薬を服用しているが、出費は給料の5分の1に相当するという。ある薬屋では、亀板(きばん)の小売りは以前の1キロ200元から800元にまで値上がりした。(1元=約12円)
中国漢方生薬協会の統計によると、去年、全国市場で537種の漢方生薬のうち、84%が値上がりした。上げ幅は5%~180%だが、28%の品目の上げ幅は51%、6%の品目の上げ幅は181%に達しており、2%の品目の上げ幅は300%を上回った。冬虫夏草、水蛭、貝母、阿膠、西洋参、太子参、三七、牛黄などの生薬の値上げ幅が特に大きいという。
値上がりには複数の原因があるようだ。その一つは、流通段階での値上がり幅がかなり大きいこと。亀板という生薬の場合、問屋は薬屋に1キロあたり270元で販売するが、小売りは1キロあたり800元で販売し、薬屋によっては1000元以上で売るところもある。半枝蓮という生薬の納入価格は1キロあたり14元だが、2級販売店の手に渡れば、値段は一気に160元に上昇する。
また、一部の投資家が生薬の価格を操り、大量の買い占めを行ったため、市場は品薄になっている。野生資源の減少や、栽培コストの増加も値段上昇の一因となっている。
(翻訳編集・文子)
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