【大紀元日本2月22日】ニューヨークからパリ、東京、ダラス、ストックホルム、シドニーへ。 戚暁春(チー・シャオチュン)は常に聴衆を魅了してきた。一つ一つの二胡の音色をとらえ、短いながらゆったりとした間合いは、針が落ちても聞こえるかのように静まり返る。
二胡は、最も人々に愛されてきた中国古来の楽器の一つだ。悲劇の表現に長け、聞く者の心を掻き立て、身につまされるかのようなせつない音色を美しく奏でる。
悠久の歴史を誇る中国の伝統音楽は、単なるエンターテイメントではない。己の思考を浄化し、音色そのものが宇宙に影響を与え、調和をとる役割を果たすのだ。
米ニューヨークを拠点とする「神韻芸術団」に所属する戚暁春は、中国の南部で幼いころから父親の手ほどきを受け、演奏家となった。
「父が二胡を最初に教えてくれたのは、私が6歳のときでした。毎日、父と練習しました。家が狭かったため近所の迷惑にならないよう、近くの公園で練習しました」と戚暁春は語る。
当時の練習は、とても厳しかったという。年間を通して、悪天候でも外で練習を続けた。戚暁春は当時、父親のことを「世界一残虐だ」と思っていたが、次第に父親の音楽への深い愛情と、背後にある「抑制された情熱」を感じるようになったという。
「練習しているときはいつも多くの人に囲まれました。何時間も私たちをじっと見て、音色に耳を傾け、うなずくように頭を振り、足で軽くリズムを取る人たちがいました。今になって、なぜ父があれほどまでに私を二胡の演奏家に育て上げたのかが分かりました。中国芸術の真髄、魂を私に受け継ぎ、希望、喜び、内面の力強さを生み出せる音楽を奏でて欲しかったのでしょう。偉大な父でした」
古代中国の文化は、天と地の調和、生命と自然の尊重を大切にした。それは、神韻芸術団の公演で見られる価値観だ。戚暁春は、「未来の世代のために、中国伝統文化の美と真髄の保護という父の人生の使命に貢献するため、私は今日もステージに上がります 」と語った。
神韻2011世界ツアーの日本公演は、4月20日から30日の間、東京・仙台・西宮・広島の4都市で8公演がおこなわれる予定。
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