【大紀元日本5月26日】厠(かわや)が火事になったらどうなるか。「クソ」が焼けて「焼けクソ」(自棄糞)。乞食のお粥には米粒が見当たらず、「湯(言う)ばかり」。
「こうなったらヤケクソだ!」と言いたいとき、「厠の火事だ!」と言い、「あいつは言うだけだ!」と言いたいとき、「乞食のお粥だ!」と言って済ませます。それだけ言えば、何を言いたいのかわかるので、わざわざ「その心」までことばに出す必要がありません。
こういったしゃれことばは、日本では特に大阪あたりで明治のころまでは盛んに使われていたようですが、今はほとんど耳にすることはありません。
ところが、中国では、今も人々の日常生活の中でこの類のしゃれことばが随分と活躍しており、会話に深み、趣きを持たせています。
中国では、こういったしゃれことばを「歇後語」と言います。「歇」とは休むということ、すなわち、後半を休んで言わない表現ということです。前半だけで何を言わんとしているかを相手に察してもらうわけですが、日本人には想像もつかない「その心」を見せてもらい、「へ~」と思うことしきりですし、中国の人々の思考回路を垣間見たような気にもなって、楽しくなります。
(大江)
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