秋の乾燥が始まり、体はサインを出し始めます

忙しい人の白露ランチ さんま・里芋・豆乳で肺を潤すコンビニ薬膳【薬膳一品】

オフィスで働く人は、この時期に次のような不調を感じやすくなります。

  • 喉が乾いてかゆく、話し始めると咳が出そうになる
     
  • 肌や唇が乾燥し始める
     
  • 午後になると特に疲れやすく、集中力が続かない
     
  • 朝晩は涼しさを感じるものの、服を一枚足すべきか迷う

これは、「秋の乾燥が肺に影響し、胃腸も季節の変化に合わせて切り替わり始めている」状態と考えられます。コンビニにも、白露の時期に合う養生の組み合わせがあります。肺を潤して乾燥を防ぎ、体を温かく補う助けになります。
 

今日のコンビニ養生セット

さんま弁当
里芋の煮物
豆乳
梨ジュース
 

さんま弁当

白露の時期、さんまは脂がのっておいしくなる季節を迎えます。

さんまは、性質は温、味は甘、脾・胃・肺に関わる食材とされます。虚を補い、気を養い、胃腸を温かく支え、肺を潤す働きがあると考えられています。

さんまは白露の時期に旬を迎える魚で、秋になると脂がのってきます。EPAやDHAも含まれており、秋の乾燥による肌の乾きや、気分の落ち込みが気になる時期にも取り入れやすい食材です。温性で肺にも関わるため、白露の「肺を潤す」養生にも合っています。

秋の味覚、さんま(Shutterstock)

塩焼きのさんまは、さんま本来のうま味や栄養を生かしやすく、余分な油を加えないため、負担が少ない食べ方です。白米は、性質は平、味は甘、脾・胃に関わる主食で、中を補い、気を養い、胃腸を整えます。さんま弁当として白米と合わせれば、午後の仕事に必要な持続力も支えてくれます。

弁当の副菜を選ぶなら、煮物やおひたしなど、あっさりしたものを優先するとよいでしょう。揚げ物は避けたいところです。白露を過ぎると、胃腸は少しずつ温かく補われることを求め始めるため、煮物のほうが消化しやすく、負担も少なくなります。

さんま弁当には、大根おろしが添えられていることも多くあります。大根は、性質は涼、味は甘・辛、肺・脾・胃に関わる食材とされ、消化を助け、肺を潤す働きがあります。さんまと相性のよい組み合わせです。
 

里芋の煮物

里芋は、性質は平、味は甘・辛、脾・胃に関わる食材とされます。脾を健やかにし、虚を補い、痰をさばき、滞りをやわらげ、腸を潤して便通を助ける働きがあります。

里芋は腸を潤して便通を助ける働きがあります。(Shutterstock)

里芋は、秋に胃腸を整える代表的な食材です。ぬめりのある食感は、粘性のある成分によるもので、胃の粘膜を守り、消化吸収を助ける働きが期待できます。

白露の時期は、夏のあっさりした食事から、秋の温かく補う食事へと切り替わっていく時期です。里芋は、その移行期に取り入れやすい、穏やかな食材といえるでしょう。

なぜ、ほかの副菜ではなく里芋を選ぶのでしょうか。揚げ物は熱を助け、肺を乾かしやすいため、白露の時期には控えめにしたい食べ物です。一方、里芋の煮物は温かく、潤いがあり、消化もしやすく、脾を補って気を養う副菜として秋に向いています。

コンビニの惣菜コーナーには、里芋の煮っころがしが並ぶこともあります。醤油とみりんで甘辛く煮た、やさしい味わいの一品は、白露の時期に選びやすい副菜です。
 

豆乳

豆乳のもとである大豆は、性質は平、味は甘、肺・脾・大腸に関わる食材とされます。陰を養って乾燥を潤し、虚を補って気を養い、肺を潤して咳をやわらげる働きがあります。

白露の秋燥は、最初に肺へ影響しやすいと考えられます。豆乳は肺に関わる飲み物として、乾燥が気になる時期に手軽に取り入れやすい一品です。

また、良質な植物性たんぱく質を含み、午後のエネルギー維持にも役立ちます。血糖の急な変動を抑え、午後の疲れやだるさを防ぐ助けにもなります。

なぜ牛乳ではなく豆乳なのでしょうか。中医学では、豆乳は性質が穏やかで、乾燥を潤しながらも冷えすぎにくいと考えます。白露を過ぎると朝晩は涼しくなるため、冷たい牛乳よりも、豆乳のほうが胃腸に合いやすいことがあります。選ぶなら、無糖または低糖のものがおすすめです。甘いものを取りすぎると湿を助けやすいためです。

豆乳は温めて飲むと、より体になじみやすくなります。コンビニで温かい豆乳があれば、そちらを選ぶのもよいでしょう。
 

梨ジュース

梨は、性質は涼、味は甘・酸、肺・胃に関わる食材とされます。肺を潤して咳をやわらげ、熱を冷ましてうるおいを生み、痰をさばく働きがあります。

肺を潤して咳をやわらげる梨(shutterstock)

梨は、白露の時期に肺を潤す代表的な果物です。昔から秋の養生食材として親しまれてきました。梨の甘く涼やかな性質は、白露の秋燥に合っています。

梨ジュースを選ぶときは、果汁の割合が高いものを選び、香料や糖分が中心の飲料は避けたいところです。可能であれば、幸水梨や豊水梨など旬の梨をそのまま食べるのが、最もよい選択です。

ただし、梨は涼性の食材です。冷えやすい人や胃腸が弱い人は、冷たい梨ジュースを避け、常温か少し温めたものを選ぶとよいでしょう。
 

この昼食セットの薬膳的な考え方

 

全体としては、肺を潤して乾燥を防ぎ、脾胃を健やかに温かく支え、うるおいを生んで喉の渇きをやわらげる組み合わせです。
 

忙しい人の白露ランチ、三つのポイント

1. 旬の食材を優先すること

白露の時期は、さんま、梨、里芋が旬を迎えます。季節に沿って食べることで、栄養も取り入れやすく、養生の面でも理にかなっています。

2. 冷たい飲み物の代わりに、肺を潤す飲み物を選ぶこと

豆乳や梨ジュースは、白露の時期に合う飲み物です。冷たい飲み物よりも肺を潤しやすく、甘い清涼飲料よりも体にやさしい選択になります。

3. 副菜に煮物を選び、揚げ物を控えること

白露を過ぎたら、弁当の副菜を揚げ物から煮物へ替えるだけでも、季節に合った食事に近づきます。これは、最も簡単で続けやすい食養生の工夫です。

白露は、秋が本格的に始まる節目です。
コンビニでの小さな選択でも、肺を潤して乾燥を防ぎ、深まる秋を穏やかに迎える助けになります。

情報やモノが溢れる現代において、「人生」をテーマに発信する文筆家。趣味は季節の野菜を使ったシンプルな手料理と、スマホを置いて自然に触れること。