暑さはまだ残り、秋の乾燥はもう始まっています

処暑のコンビニ養生 ーー忙しい人のための、心の熱を冷まし、いらだちを鎮める昼食【薬膳一品】

処暑を過ぎると、オフィスで働く人は次のような不調を感じやすくなります。

  • 午後になると、とくにイライラしやすく、集中しにくい
     
  • 口が乾き、水を飲んでもまだ喉が渇く
     
  • 昼食後に眠くなり、午後の調子が上がらない
     
  • 夜、帰宅してからもよく眠れない

これは中医学では、夏の熱が体に残り、暑さで「気」を消耗している状態と考えます。特別な補養品がなくても、コンビニでの選び方を少し工夫すれば、こもった熱をやわらげ、いらだちを鎮め、午後の調子を取り戻す助けになります。
 

今日のコンビニ養生セット

  • 蒸し鶏(サラダチキン)
  • 枝豆
  • 冬瓜入りスープ
  • 杏仁豆腐
  • 緑茶 または 豆乳
    ※飲み物は、その日の体調に合わせて選びましょう。
     

蒸し鶏(サラダチキン)

なぜ処暑には、ほかの肉ではなく蒸し鶏を選ぶのでしょうか

鶏肉は、性質は温、味は甘、脾・胃に関わる食材とされます。中を補い、気を養い、胃腸を温かく支える働きがあります。

夏の暑さは気を消耗します。そのため、処暑の頃になると、体はどこか弱っていることが少なくありません。鶏肉は、気を補う食材の中でも穏やかで、元気を取り戻す助けになります。牛肉や豚肉に比べると、胃腸への負担も比較的軽めです。

では、なぜ唐揚げではなく「蒸し鶏」なのでしょうか。

処暑の時期は、心の熱がまだ残りやすい時季です。油で揚げたものは熱を助け、火を生みやすく、イライラや焦りを強めることがあります。蒸し鶏はあっさりしていて負担が少なく、この季節に取り入れやすいたんぱく源です。

コンビニで選ぶなら、プレーン味や塩味のサラダチキンがおすすめです。辛い味つけや、濃い味のものは避けるとよいでしょう。
 

枝豆

枝豆(Shutterstock)

小さな一袋の枝豆は、処暑の季節に見落とされがちな養生食材です。

枝豆は、性質は平、味は甘、脾・大腸に関わる食材とされます。胃腸を整え、体の乾きをやわらげ、水分の巡りを助ける働きがあります。

植物性たんぱく質と食物繊維を含み、腸の働きを整える助けにもなります。処暑の時期は、暑さの影響で消化がゆっくりになりやすいため、枝豆は軽く取り入れやすい一品です。また、ビタミンB群も含まれており、疲れをやわらげ、気分や集中力を立て直す助けになります。

枝豆と蒸し鶏を組み合わせると、動物性と植物性のたんぱく質を一緒に取ることができ、気を補う働きもより整いやすくなります。
 

冬瓜入りスープ

ハトムギ入り冬瓜スープ(ChatGPT生成)

冬瓜は、性質は涼、味は甘・淡、肺・大腸・膀胱に関わる食材とされます。熱を冷まし、湿をさばき、水分代謝を助け、むくみを軽くし、体のうるおいを生み、喉の渇きを和らげる働きがあります。

処暑の時期は、まだ暑さが完全には退いていません。冬瓜入りの温かいスープは、体に残った暑気をやさしく冷ましながら、水分を補い、初秋の乾燥に備える助けになります。

では、なぜ冷たい飲み物ではなく、温かいスープなのでしょうか。

処暑を過ぎても、冷たい飲み物で暑さをしのごうとする人は少なくありません。しかし中医学では、冷たいものは胃腸を傷めやすいと考えます。胃腸が弱ると、体は湿気や暑さを外へ逃がしにくくなります。

だからこそ、冬瓜の持つ「熱を冷ます」働きを生かすには、冷飲ではなく温かいスープとして取るほうが向いています。

コンビニで冬瓜スープが見つからない場合は、豚汁や野菜スープも代わりの選択肢になります。
 

杏仁豆腐

杏仁豆腐(ChatGPT生成)

処暑を過ぎると、乾燥を潤す養生が少しずつ必要になります。杏仁豆腐は、コンビニで選びやすい、この季節に合うデザートです。

杏仁は、性質は温または微温、味は甘、肺・大腸に関わる食材とされます。肺を潤し、咳をやわらげ、腸を潤して便通を助ける働きがあります。

処暑のあと、肺の働きが季節の中心になり始めると、秋の乾燥が肺に影響しやすくなります。杏仁は「肺を潤す」代表的な食材の一つです。甘味として杏仁豆腐を選ぶことは、無理なく楽しく乾燥対策を始める方法でもあります。

また、豆乳ベースの杏仁豆腐であれば、豆腐や豆乳の働きも加わります。豆腐は、性質は涼、味は甘、脾・胃・大腸に関わる食材とされ、熱を冷まし、乾燥を潤し、中を補って気を養う働きがあります。

選ぶなら、原味の杏仁豆腐がおすすめです。甘すぎるものは避けましょう。甘いものは湿を助けやすいため、処暑の時期は適量にとどめることが大切です。
 

飲み物はどう選ぶ? 緑茶と豆乳、それぞれの働き

緑茶と豆乳(ChatGPT生成)

緑茶

緑茶は、性質は涼、味は苦・甘、心・肺・胃に関わる飲み物とされます。心の熱を冷まし、いらだちを鎮め、熱を冷まし、気分をすっきりさせる働きがあります。

中医学では「苦味は心に入る」と考えます。緑茶の苦味は、心にこもった熱を冷まし、午後のイライラや集中力の低下をやわらげる助けになります。

処暑の時期、午後に眠くなったり、気持ちがざわついたりする人には、緑茶が取り入れやすい対策になります。

豆乳(無糖)

豆乳は、性質は平、味は甘、肺・脾・大腸に関わる飲み物とされます。陰を養って乾燥を潤し、虚を補い、気を支える働きがあります。

処暑を過ぎると、体は少しずつ乾燥に傾き始めます。豆乳は体のうるおいを補い、肺の乾燥をやわらげながら、植物性たんぱく質で午後のエネルギー維持も助けてくれます。カフェインを取りたくない人にとっては、緑茶のよい代わりになります。

どちらもよい飲み物ですが、その日の状態に合わせて選ぶのがポイントです。イライラや焦りが強い日は緑茶、口の乾きや疲れが気になる日は豆乳が向いています。
 

この昼食セットの薬膳的な考え方

蒸し鶏:温性で甘く、脾・胃に関わり、中を補って気を養い、元気の回復を助けます。

枝豆:平性で甘く、脾・大腸に関わり、胃腸を整え、乾燥を潤し、疲れをやわらげます。

冬瓜スープ:涼性で甘・淡、肺・大腸・膀胱に関わり、熱を冷まし、湿をさばき、体のうるおいを生んで喉の渇きを和らげます。

杏仁豆腐:温性で甘く、肺・大腸に関わり、肺を潤し、乾燥を防ぎます。

緑茶:涼性で苦・甘、心・肺・胃に関わり、心の熱を冷まし、いらだちを鎮め、気分をすっきりさせます。

豆乳:平性で甘く、肺・脾・大腸に関わり、陰を養って乾燥を潤し、虚を補います。

全体としては、心の熱を冷まし、いらだちを鎮め、気を補いながら陰を養い、肺を潤して乾燥を防ぐ組み合わせです。
 

忙しい人の処暑ランチ、3つのポイント

1. たんぱく質はあっさりしたものを選ぶこと:蒸し鶏、豆腐、枝豆のような食材を選び、揚げ物や濃い味つけを避けることで、心の熱を増やしにくくなります。

2. デザートには乾燥を潤すものを選ぶこと:杏仁豆腐は、アイスクリームよりもこの季節に合っています。肺を潤しながら、湿を助けすぎないよう、甘さは控えめのものを選ぶとよいでしょう。

3. 飲み物をその日の状態で選ぶこと:イライラする日は緑茶、口が乾く日は豆乳。どちらも冷たい飲み物や甘い清涼飲料より、処暑の体には合いやすい選択です。

処暑は、体が夏モードから秋モードへ切り替わる時期です。
コンビニでの小さな選択でも、体がこの移行期をなめらかに過ごす助けになります。

情報やモノが溢れる現代において、「人生」をテーマに発信する文筆家。趣味は季節の野菜を使ったシンプルな手料理と、スマホを置いて自然に触れること。