超加工食品は何が問題なのか 成分だけではない健康リスク

超加工食品が有害なのは成分によるものなのか、それとも加工そのものが健康への悪影響に関わっているのかについて、長年議論されてきました。新たな研究は、後者の見方を支持しています。

『American Journal of Public Health』に掲載されたこの研究は、タフツ大学の研究者らによるもので、塩分、糖分、飽和脂肪酸の摂取量を考慮した後でも、超加工食品の摂取量が増えるほど、重い病気や早期死亡のリスクが高まることを明らかにしました。

超加工食品の摂取量が10%増えるごとに、代謝症候群のリスクは7%、糖尿病のリスクは3%、がんのリスクは5%、あらゆる原因による死亡リスクは4%上昇していました。

この研究は、1999年から2018年までに収集されたアメリカ国民健康・栄養調査のデータに基づいています。これは、アメリカ人の食習慣と健康状態を長期間にわたって追跡する、大規模な連邦政府のデータです。

今回の発見は、栄養素以外の要因――食品構造の変化、有益な成分の減少、添加物、包装から移行する化学物質など――も、健康リスクに関わっている可能性を示唆しています。

加工によって食品本来の構造が壊れ、食物繊維やポリフェノール、そのほかの生理活性物質など、有益な栄養成分が減少することも、健康への悪影響につながる可能性があります。

研究著者である心臓専門医で、タフツ大学フリードマン栄養科学政策大学院のFood is Medicine Institute所長を務めるダリウシュ・モザファリアン博士は、加工によって食品の味が強まり、早食いや食べ過ぎを促しやすくなると指摘しました。

さらに、工業的に作られた原料や添加物、アクリルアミドやヘテロサイクリックアミンなど、がんとの関連が指摘されている加熱副産物、包装材由来の汚染物質が食品に加わる可能性もあるとしています。

モザファリアン氏はエポックタイムズに対し、科学的根拠からは、複数の有害な仕組みが互いに関連しながら作用している可能性が示されていると語りました。

「これらの要因がどのように相互作用するのかを理解するには、さらなる研究が必要です」とモザファリアン氏は述べました。「ただし、健康への悪影響を一つの仕組みだけで完全に説明することはできないと考えられます」

加工の問題

包装されたパン、炭酸飲料、甘いシリアル、ポテトチップス、調理済み食品などを含む超加工食品は、含まれる成分だけでなく、どのように作られているかによって分類されます。

工業的な加工技術は食品の細胞構造を壊し、健康維持に役立つ食物繊維や有益な化合物、ビタミンなどを減少させます。その一方で、家庭での調理ではほとんど使われない添加物――化学的な保存料、水素添加油、高果糖コーンシロップ、人工着色料、香料など――が加えられます。

「超加工食品は、元の食材から何段階も離れた食品だと考えてください」と、研究に関与していないケース・ウェスタン・リザーブ大学医学部栄養学科の管理栄養士兼講師であるリンジー・マルーン氏は、エポックタイムズに語りました。

「多くの場合、風味、食感、見た目、保存期間を良くするために、精製された原料やさまざまな添加物が使われています」

こうした構造の変化は、これまで考えられていた以上に重要である可能性があります。加工によって食品の細胞構造が壊れると、体内での吸収のされ方も変わります。より速く吸収される一方で、満腹感を得にくくなり、食品に本来含まれていた栄養素も少なくなる可能性があります。

食物繊維が取り除かれると腸の粘膜バリアが乱れ、細菌が血流に入り込んで炎症を引き起こす可能性があると、研究に関与していないニューヨークのプレインビュー病院の臨床栄養士ダイアナ・クサ氏は、エポックタイムズに語りました。

合成乳化剤や添加物は、その影響をさらに強める可能性があると、彼女は述べています。

クサ氏は、この研究は、栄養成分だけでなく、加工そのものが健康に悪影響を及ぼす可能性を示していると指摘しました。

飽和脂肪酸、添加糖、ナトリウムなど、食品の栄養の質を考慮した後でも、健康リスクとの関連は残っていました。
 

超加工食品を減らすための簡単な置き換え

クサ氏は、日常の食事で超加工食品を減らしたい人に向けて、より健康的な代替食品を選ぶための実践的な方法を紹介しています。

まず、食料品店では、店内の外周を中心に買い物することを勧めています。超加工食品は、一般的に中央の通路に多く並んでいるためです。

「食品表示を確認してください」と彼女は付け加えました。「原材料が5種類未満で、見てわかり、発音しやすいものを選ぶようにしましょう」

具体的には、次のような置き換えを提案しています。

  • ポテトチップスの代わりに、油を使わずに加熱したポップコーンや、味付けされていないナッツを選ぶ。
     
  • 炭酸飲料の代わりに、水や無糖のお茶を選ぶ。
     
  • 加工肉の代わりに、自宅で焼いたりローストしたりした鶏肉を薄く切って使う。
     
  • 市販のサラダドレッシングの代わりに、オリーブオイル、酢、生のレモン汁、乾燥スパイスを使って自宅で作る。
     
  • 加糖タイプのヨーグルトではなくプレーンヨーグルトを選び、自分で新鮮な果物を加える。
     
  • 箱入りのシリアルを避け、代わりに味付けされていないロールドオーツを選ぶ。

マルーン氏は、単一の食材からなる食品には、食物繊維、ビタミン、ミネラルに加え、「私たちがまだ十分に解明できていない方法で互いに作用する、何千もの植物由来の栄養成分」が含まれていると付け加えました。

現在、アメリカでは、子どもが1日に摂取するカロリーの約60%を超加工食品が占めています。研究者らは、この割合が長期的な公衆衛生を考えるうえで、特に重要な意味を持つと指摘しています。

(翻訳編集 日比野真吾)

がん、感染症、神経変性疾患などのトピックを取り上げ、健康と医学の分野をレポート。また、男性の骨粗鬆症のリスクに関する記事で、2020年に米国整形外科医学会が主催するMedia Orthopedic Reporting Excellenceアワードで受賞。