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体のこわばりをほどく 6つの基本ストレッチ

人間の体には通常およそ206本の骨(余分な骨や癒合した骨がある場合もあります)、360の関節、およそ600の筋肉があります。この数字を考えると、どこかが痛む可能性が常にあるのです。痛みそのものよりも悪いのは、その痛みをかばおうとして、機能的な自立や生活の質を損なうような動き方をしてしまうことです。

私たちは痛みを減らすために無意識に別の動きをすることが多いのですが、その結果、体に不適切な動きのパターンが定着し、最終的に他の部分にさらなる問題を引き起こすことがあります。それが続くと、長い病気の物語になってしまうこともあります。

そんな悪いニュースの中にも希望の光があります。定期的なストレッチと運動の習慣を守ることで、痛みや不快感を取り除いたり、軽減したりできる場合が多いのです。

私の患者さんたちは通常、これらのストレッチを問題なく行えましたが、ご自身の状況に合っているかどうかを確認するために、必ず医療提供者に相談することをおすすめします。
 

首から足まで、動きを取り戻す6つのストレッチ

以下のストレッチと可動性エクササイズは、痛みやこわばりの緩和に役立ちます。すべての症状に対応するものではありませんが、多くの人々に共通する痛みのある部位であり、多くの方に効果が期待できます。

1. 首の痛み – 6ポイントネックストレッチ

典型的な首の痛みは、まさに「首の痛み」です。頭は非常に可動性が高く、常に動いていて、首がその重さを支えながら必要な動きを提供しています。首が痛むと、一日中悩まされます。

首はさまざまな方向に動きます。

  • 屈曲:あごを胸に近づける動きが首の屈曲です。
  • 伸展:鼻をできるだけ天井に近づける動きが首の伸展です。
  • 回旋:頭をまっすぐにしたまま左右に回す動きが首の回旋です。
  • 側屈・側伸展:頭をまっすぐにしたまま耳を肩に近づける動きが、その側の側屈で、反対側が側伸展です。

また、首を少し横に向けた状態での屈曲や伸展という、斜め方向の動きも可能です。

実践のポイント:6ポイントの首のエクササイズは、座っていても立っていても行えます。それぞれ約5回ずつ行い、体が伝える感覚に注意しながら調整してください。
 

 

首の屈曲

このエクササイズは、コンピューターの前で丸まって過ごすことで生じる痛みやこわばりを解消するのに適しています。首の後ろ側の短くなった筋肉を伸ばします。

ステップ1:ゆっくりとあごを首の付け根に向かって引きます。後頭部に片手を、あごにもう一方の手を添え、頭を下に動かすのを補助します。その後、後頭部の手でさらに優しくストレッチを深めます。

注意:首を屈めすぎないように意識し、常に頭はまっすぐに保ちます。胸を高くして背筋を伸ばしたまま行ってください。

ステップ2:無理のない範囲まで下げたら、ゆっくりと動きを戻し、頭を元の位置に戻します。
 

首の斜め屈曲

この動きは、肩甲骨を持ち上げる肩甲挙筋(けんこうきょきん)と半棘筋(はんきょくきん)に効きます。肩甲挙筋が問題を起こすと、上背や肩甲骨上部にしつこい痛みを生じます。

ステップ1:頭を左に約45度回します。その角度を保ったまま、右耳から水をこぼすように反対側に傾けます。必要なら同じ側の手でストレッチを補助します。肩を下げたまま、そこから頭を遠ざけるように伸ばします。

ステップ2:元の位置に戻り、頭を右に約45度回し、同じ要領で左耳から水をこぼすように傾けます。
 

首の側伸展

このストレッチは胸鎖乳突筋(首の前側の筋肉)と斜角筋(首の側面の筋肉)を伸ばしつつ、僧帽筋にもしっかり効きます。

ステップ1:頭を上げて正面を向いた状態から、右手の軽く握って拳を腰に置きます。そのまま、頭をできるだけ左に動かし、左耳を肩につけるようにします。

ステップ2:頭を戻し、反対側も同じように行い、腕も入れ替えます。
 

首の回旋

この運動は首のさまざまな筋肉を使い、椎骨の動きも良くします。

ステップ1:頭をまっすぐにして正面を向き、ゆっくりと左に回していき、肩越しに何かを見るようにします。右手を使って、さらに少し回すように補助しても構いません。

ステップ2:頭を元の位置に戻し、反対側も同様に行います。
 

首の伸展

胸鎖乳突筋と斜角筋に効き、首の前側の筋肉をほぐします。

ステップ1:立った状態で、股関節から前に折れ、手を膝に置きます。顔は床に向けます。

ステップ2:ゆっくりと頭を上に持ち上げ、最後にあごを突き出して、さらに伸ばします。
 

首の斜め伸展

これも胸鎖乳突筋と斜角筋に効きますが、片側ずつに強いストレッチがかかります。

ステップ1:首の伸展と同じ姿勢(手を膝に置いた姿勢)から、頭を約45度右に回し、肩越しに見るようにして持ち上げます。

ステップ2:頭を下げて元に戻し、反対側も同様に行います。両側を行うと、あごで大きな「U」の字を描くような動きになります。
 

2. 上背部の痛み – ハグストレッチ

この動きは上・下の菱形筋に効果的です。この筋肉は自分では手が届かないところで痙攣を起こしやすいので、今のうちに伸ばしておくと後が楽です。
 

ステップ1:片腕を完全にもう一方の腕の下に入れて、自分をハグし、両手を肩に置きます。しっかり抱えます。

ステップ2:背骨をまっすぐに保ちながら、肩を前方と下方にできるだけ転がし、上背と肩に伸びを感じます。5秒キープした後、元の姿勢に戻します。
 

3. 中背部の痛み – 座った胸椎回旋

座ったまま行うこの運動は、腰を動かさずに中背部の脊柱の可動性を高めます。

ステップ1:安定した椅子に座ります。

ステップ2:腕を抱えるようにして上腕を持ち、姿勢をまっすぐに保ちながら、肩だけを右に回します。その後ゆっくり元に戻し、左も同じようにします。
 

4. 梨状筋と腰の痛み – 座ったフィギュア4ストレッチ

梨状筋は小さいわりに強い痛みを引き起こし、坐骨神経を圧迫して歩行や日常動作を制限することがあります。

ステップ1:椅子に座り、右足首を左膝の上に置き、右膝をできるだけリラックスさせて下げます。

ステップ2:背筋を伸ばし、股関節から前に倒れることでストレッチを深めます。無理のない範囲で最大1分間保持します。
 

5. 肩の痛み – 背中の後ろでの胸筋ストレッチ

これは私のお気に入りのストレッチのひとつで、一日に何度も行っています。

ステップ1:座ったまま、または立ったまま、背中の後ろで手を組みます。

ステップ2:組んだ手を床方向に押し下げながら、胸を前に突き出します。可能な限り動かしたら20秒間キープします。

補助法:手が組めない場合は、タオルや棒を持ち、できるだけ手を近づけます。

6. 足の痛み – 4方向の足首ストレッチ

私たちの多くは、疲れて痛む足に悩まされますが、このストレッチが足をほぐし、痛みの軽減につながります。

ステップ1:椅子に座り、右足を左脚の上に乗せます。

ステップ2:右手を右足の上に、左手をかかとに置き、つま先と足をできるだけ後ろに引きます(足首を軸に、甲側へ引き上げる(背屈))。

ステップ3:次に、足を前方にできるだけ押し伸ばします(足首を軸に、足先をかかと側へ押す(底屈))。

ステップ4:両手で足全体を天井方向に回し、内反(ないはん、足裏が内側を向く動き)します。

ステップ5:最後に、足全体を下方向に回し、外反(がいはん、足裏が外側を向く動き)します。

(翻訳編集 井田千景)

主要な医療現場で30年以上の経験を持つ作業療法士である。健康コラムを執筆。