女性医師3人が語る 最高のストレス管理ルーティン

病院やクリニックで長時間働き、幼い子どもを育てながら、専門研修も続けている――そんな多忙な日々の中で、3人の女性医師はどのように心の静けさとバランスを保っているのでしょうか。

新唐人テレビの番組『健康1+1』で、彼女たちは自身の方法を共有しました。

「コントロールできないことをコントロールしようとしないでください。自分自身を大切にして、それ以外のことに、あまり高い期待を持ちすぎないことです。自分ではどうにもできないことも、たくさんありますから」と語るのは、台湾・台中市の品心クリニック院長で神経内科医の林邵臻医師です。

「ストレスが襲ってきてから慌てて対処するのではありません。日々、積極的に自分のエネルギーを築き、維持することが必要です」と話すのは、台中市の長安病院の主任神経内科医、陳慧萱医師です。

「息子を抱きしめて、その髪の香りを吸い込むと、とても心が落ち着きます」と語るのは、台中市の馥茜中医クリニック院長の李佳玲医師です。

睡眠は最高の癒やし

家庭と仕事の要求に追われ、燃え尽きてしまう――彼女たちは「もう何もせずに横になりたい」と思うことはあるのでしょうか。答えは「はい」であり、それこそが最もシンプルなリセット方法のひとつです。

「その場でごろんと横になってしまいます」と林医師は言います。彼女には、誰もが羨むような特技があります――どこでもすぐに眠りに落ちてしまうことです。「5分から10分ほど仮眠をとり、その後また患者さんを診ます」。こうした短く効率的なパワーナップ(短時間の仮眠)は、忙しい勤務日のエネルギー維持の秘訣です。研究によると、日中に定期的に昼寝をする人は脳の容積が大きい傾向があり、昼寝と脳の健康には関連がある可能性が示唆されています。

また林医師は、お気に入りのサメ型寝袋を持っており、その中に潜り込んで眠ることもあります。まるで包み込まれるような安心感があり、子どもの頃のような楽しい気分になれるのだそうです。

林邵臻医師が、サメの口から顔を出して寝袋の中で眠っている様子(写真提供:林邵臻)

陳医師にとっても、ストレス解消の切り札は「睡眠」です。心身を回復させる、何より強力な方法だといいます。実際に横になれない場合でも、静かな場所を見つけて目を閉じ、528ヘルツや432ヘルツといった特定の周波数に調整されたヒーリング音楽を流し、ティッシュにお気に入りのエッセンシャルオイル(精油)を一滴垂らして、数分間、ただぼんやりと過ごします。また、患者の診療で生じたネガティブな感情を整理するためにセルフトーク(自分自身との対話)も活用しています。

李医師にとって最高の安らぎは、息子を抱きながら眠ることです。「今でも一緒に寝ています。香りを感じるだけでとても落ち着きます」。この温かなふれあいと、息子のなじみ深い香りは、彼女にとって何よりのセラピーです。忙しい毎日の中で、心のバランスを取り戻す優しい時間になっています。

運動が体のエネルギーを高める

休んで回復するだけでなく、彼女たちは体を動かすことでもエネルギーを取り戻しています。李医師は博士課程の頃、強いストレスにさらされていた際にダンスに救われた経験を振り返ります。「ダンスは最大のストレス解消法でした。フラメンコを踊り、足を踏み鳴らし、手を叩いて、すべてのプレッシャーを、床に向かって叩きつけるように発散していました」。

陳医師は天気の良い日には屋外で長距離ランニングを行い、雨の日には自宅のランニングマシンで短編映画を見ながら約30分走ります。また、子どもと一緒に15分間の高強度インターバルトレーニング(短時間で強度の高い運動と休息を繰り返すトレーニング)を行い、時には友人とダンスクラスにも参加します。最近では体幹トレーニングも取り入れ、長時間の座位による腰や首の痛みの軽減に役立っています。

運動の効果は、体力の向上だけにとどまりません。脳の働きにも良い影響を与えます。研究では、激しい運動でなくても、速歩や長時間のウォーキングによって神経栄養因子(脳の働きを支える物質)の分泌が促進され、認知機能が向上する可能性が示されています。
 

高糖質の食事は脳に悪影響

食事もまた、精神の明晰さに大きく関わります。「昨年の中秋節の時期には、いつもの習慣を崩して、卵黄入り菓子や月餅など、甘いものをたくさん食べてしまいました。その結果、頭がぼんやりし、消化も不調になりました」と陳医師は話します。

体質的に敏感だという李医師も、食事の内容が悪いと思考が鈍くなると感じるそうです。彼女は地中海式食事法を重視しており、野菜や果物、全粒穀物、豆類、ナッツを豊富に摂り、主な脂質源としてオリーブオイルを使用し、魚介類を適度に取り入れつつ、赤身肉や加工食品は控えることを勧めています。この方法は認知機能の改善に役立つとされています。また、炭水化物を完全に排除しないことも重要で、エネルギー維持のために毎日少なくとも半膳のご飯を食べています。

夜市文化が根付く台湾で暮らす彼女たちも、時には誘惑に負けてしまうことがあるようです。李医師は週末に家族で出かけ、イカのフライや塩酥鶏(台湾風フライドチキン)を楽しみますが、その後に漢方茶を飲んで血中脂質を下げるようにしています。陳医師は油っこい食事の後、子どもと運動して代謝を促進します。林医師は不健康な食べ物にはあまり惹かれませんが、たまに食べた場合は水を多めに飲んで体外へ排出するようにしています。

台湾で人気のタピオカミルクティーについては、陳医師は子どもに砂糖入りのミルクティーを与えないようにしています。その代わり、無糖でミルク多めにカスタマイズしたものを注文します。「子どもたちは普段飲んでいる牛乳を飲んでいるだけですが、“手摇飲(シェイクして作るドリンク)を飲んでいる”という感覚が心理的な満足につながります」と話します。

「タピオカは加工食品と考えられるため、我が家ではほとんど登場しません」と林医師は言います。「食べてもいいけれど、たまにだけ、と子どもたちには教えています」
 

水分補給を心がける

食事に加え、水分補給もエネルギーと集中力を保つために不可欠です。研究によると、体重のわずか2%の水分が失われるだけで、注意力、実行機能(計画・判断などの高次認知機能)、運動協調に影響が出る可能性があります。

李医師は常に保温ボトルに入れた温かい白湯を持ち歩いており、中医学の観点からも常温または温かい水を飲み、冷たい飲み物は消化に負担をかけるため避けることを勧めています。

林医師は診察室に1Lのガラス製ピッチャーを置き、「午前に1本、午後に1本」というルールを守っています。診療中は話すことが多くすぐ喉が渇くため、診察の合間に数口ずつ飲むことで無理なく目標を達成しています。また、一度に大量に飲むよりも、こまめに少量ずつ飲む方が水分補給と吸収に効果的であると指摘しています。

必要な水分量は運動量や気候、個人差によって異なると陳医師は言います。簡単な目安として尿の色を確認する方法があり、淡い黄色から濃い琥珀色に近づくほど、水分不足のサインである可能性があります。彼女は時にフラワーエッセンス(植物のエネルギーを利用した自然療法)を水に加え、心身のバランスを整えるサポートとしています。
 

個人生活と家庭生活のバランス

適切な栄養、定期的な運動、十分な睡眠は心身の健康の基盤ですが、個人と家庭のリズムを整えることも、真のバランスを実現するうえで同様に重要です。

現代社会は、常に時間に追われ、責任とプレッシャーに満ちた生活を私たちに強いています。「自分にどれだけのエネルギーと時間があるのかを把握したいと思っています」と陳医師は語ります。彼女は自己認識と振り返りの重要性を強調し、例えば高度な学習期間中は診療件数を減らしたり、疲れているときは講演やメディア出演を断ったりします。また、時間を「細切れの時間(小さな作業用)」と「集中ブロック(深い作業用)」に分けて管理しています。

育児に関して李医師は、親や義理の両親の協力を得て、送迎などを分担するサポート体制を整えています。夜は息子と過ごし、宿題を手伝います。一方で陳医師は、学童保育など外部のリソースを活用して子どもたちの生活を支えています。

林医師は、早い段階からの自立教育の重要性を強調します。3歳から、子どもたちは自分で通学バッグを準備し、制服を洗い、服をたたむことを学びます。最初は時間がかかりますが、長期的にはストレス軽減につながります。長女はこれらのスキルを習得した後、妹に教える「小さな先生」となり、ときには大人以上の忍耐力を見せています。

林医師は子どもたちに自分と一緒に勉強するよう促しますが、宿題の管理はせず、それを本人の責任として尊重しています。また、家族一人ひとりを独立した存在として捉えています。同じ家に住みながらも、それぞれが自分の活動に取り組むこのスタイルが、彼女にとっては心地よいのです。

「私はどちらかというと、時々かわいい子どもを迎えに行く必要がある独身女性のようなものです」と彼女は冗談めかして言います。「でも基本的には、自分のやりたいことを続けられています」

陳医師は、自分の性格に合ったストレス解消法を見つけることが何より大切だと強調します。「内省や静かな時間で回復する人もいれば、旅行や友人との食事でエネルギーを得る人もいます。無理に他人と同じになる必要はありません――自分に合った方法を見つけてください」

(翻訳編集 井田千景)

英文大紀元が提供する医療・健康情報番組「健康1+1」の司会者を務める。海外で高い評価を受ける中国の医療・健康情報プラットフォームであるこの番組では、コロナウイルスの最新情報、予防と治療、科学研究と政策、がんや慢性疾患、心身の健康、免疫力、健康保険など、幅広いテーマを取り上げている。
Shan Lam