より良い睡眠を求め、さらに枕が姿勢に与える影響を本気で研究したいという思いから、私の家族は長年にわたり実にさまざまな枕を試してきました。ウレタンフォーム入りの枕から羽毛入りの枕、そば殻入り、さらにはカポック入りまで、思いつく限りあらゆる枕を使ってきました(カポックとは、天然の羽毛の代わりとして使われる植物由来の素材)。羊毛入りの枕も試しましたが、正直なところ、その枕で一晩眠ったからといって「羊の気持ち」が分かるようにはなりませんでした。
もちろん、自分に合った枕が見つかれば、枕は快適な睡眠に欠かせない存在です。しかし、クリニックでの診療や、とりわけ在宅医療の現場では、私たちはあらゆる大きさや形の枕にもう一つ素晴らしい使い道があることを発見しました。それが「運動」です。
枕はエクササイズを行うための優れた道具であり、多くの利点があります。壊れる心配がなく、落としてもケガや物を傷つけることがなく、持ちやすく扱いやすいうえ、多くの家庭にはいくつもあるため手軽に使えます。そして、扱いやすく身近な道具でありながら、枕を使った運動は驚くほどしっかりと体を鍛えることができます。今回紹介するエクササイズは無理のない内容ですが、十分な効果が期待でき、実際に体力向上につながります。何よりの魅力は、運動で疲れたら、そのまま枕を頭の下に入れて昼寝ができることです。
枕ひとつでできる5つのエクササイズ
これから紹介するエクササイズは、安全で効果的な全身運動です。私自身も患者さんに指導しており、頻繁に実践しています。使用するのは一般的な枕がおすすめで、抱き枕は避けたほうがよいでしょう。もっとも、抱き枕と格闘しながら運動する姿を想像すると、思わず笑ってしまいます。大きすぎたり扱いにくすぎたりしなければ、ほとんどの枕が使えます。クッションやインテリア用の枕、お気に入りの猫柄やエルヴィス・プレスリー柄のものでも構いません。自分が使いやすい枕を選ぶことが一番大切です。
なお、これらの運動を始める前には、ご自身に適しているかどうかを確認するため、かかりつけ医や理学療法士などの専門家に相談することをおすすめします。
1. 枕に膝タッチ
この運動は最初に行うのに最適です。ベッドの上で少し体勢を変えるだけで始められます。まだ眠気が残っていても気軽に取り組めます。
(Ceridwen Hunter/The Epoch Times)
ステップ1: 安定した場所に仰向けになり、両手で枕を持って腕を頭上へまっすぐ伸ばします。股関節を約75度曲げ、膝は伸ばしたままにします。
ステップ2: 頭は床につけたまま、腕を脚のほうへ動かしながら膝を曲げ、膝を枕に近づけます。
ステップ3: 枕を膝につけたら、腕を元の位置へ戻しながら脚を伸ばし、股関節も再び約75度の位置に戻します。
ステップ4: 枕を膝につけて戻るまでを1回と数えます。15回×3セットを目標に行いましょう。
うまくできない場合は: 股関節を75度曲げた状態を維持できない場合は、枕に触れるたびに足を床へ下ろしても構いません。それでも十分な運動になりますし、そのほうが行いやすい人もいます。
おすすめの理由: 朝一番の運動として最適です。負担が大きすぎず、この後に続く運動へのウォーミングアップにもなり、単独でも十分効果があります。
2. 手足で枕の受け渡し
体が温まったら、体幹をより積極的に使い、腕の動きも大きくなる運動へ進みましょう。
(Ceridwen Hunter/The Epoch Times)
ステップ1: 仰向けになり、両手で枕を持ちます。腕はできるだけ頭上へ伸ばし、脚もまっすぐ伸ばします。
ステップ2: 腕と脚を同時に近づけ、枕を手から両足の間へ渡します。そのまま枕を足で挟んだ状態で腕と脚を元の位置へ戻します。
ステップ3: 再び腕と脚を持ち上げ、今度は枕を足から手へ戻し、腕と脚を元の位置へ戻します。
ステップ4: 手と足の間で枕を往復させる動作を1回と数えます。12回×3セットを目標に行いましょう。
うまくできない場合は: 腕や脚を十分な範囲まで動かせない場合は、無理をせず、動かせる範囲で行ってください。筋力がつくにつれて、徐々に可動域が広がっていきます。
おすすめの理由: 頭から膝まで全身をしっかり使うため、非常に効果的なエクササイズです。
3. 枕を挟んでヒップブリッジ
ヒップブリッジ(お尻を持ち上げる運動)は、それだけでも体幹を鍛える優れた運動です。さらに枕を加えることで、より効果が高まります。
(Ceridwen Hunter/The Epoch Times)
ステップ1: 仰向けになり、腕は体の横へ置きます。膝を約90度曲げて足裏を床につけ、膝の間に枕を挟みます。
ステップ2: 膝で枕をしっかり挟みながら、お尻をゆっくり持ち上げます。肩から膝まで一直線になったところで15秒キープし、その後ゆっくり下ろします。
ステップ3: 持ち上げて下ろす動作を1回と数えます。5回×3セットを目標に行いましょう。
うまくできない場合は: 体を十分に持ち上げられない場合は、できるところまで持ち上げれば十分です。
おすすめの理由: 内転筋(太ももの内側の筋肉)もしっかり鍛えられるため、普段あまり使われない筋肉の強化にも役立ちます。
4. 仰向けで枕を一周
上下に動く運動で十分に体が温まったら、次は姿勢を保ちながら行う運動です。体幹の安定性を高めながら、腕を大きく動かします。
(Ceridwen Hunter/The Epoch Times)
ステップ1: 仰向けになり、股関節と膝を90度に曲げ、肩を床から持ち上げます。
ステップ2: この姿勢を保ったまま、枕を左右の手で持ち替えながら、太ももの外側を一周するように回します。
ステップ3: 枕を脚の周りで一周させる動作を1回と数えます。15回×3セットを目標に行いましょう。
うまくできない場合は: 股関節と膝を90度まで上げられない場合は、できるところまで上げれば構いません。
おすすめの理由: 体幹そのものの動きは大きくありませんが、そのわずかな動きが体に非常に良い刺激を与えます。
5. 枕でロシアンツイスト
定番のロシアンツイストを枕を使って行ってみましょう。最初は少し変わった運動に思えるかもしれませんが、腹筋がしっかり働くのを実感できるはずです。
(Ceridwen Hunter/The Epoch Times)
※ 枕を使うことで扱いが少し難しくなりますが、それこそが狙いです。心配はいりません。繰り返し練習すれば、次第にスムーズにできるようになります。
ステップ1: 膝を約45度曲げて座ります。背筋を伸ばし、両手で枕を膝の上に持ちます。
ステップ2: 体幹を右へひねりながら枕を右側へ動かし、体の横の床に軽く触れます。
ステップ3: すぐに体幹を左へひねり、左側の床にも枕を触れさせます。
ステップ4: 左右の床に枕を触れさせる動作を1回と数えます。20回×3セットを目標に行いましょう。
うまくできない場合は: 大きくひねれない場合は、無理のない範囲で左右へ回旋してください。セット数や回数もご自身に合わせて調整して構いません。さらに負荷を高めたい場合は、足を床から浮かせた状態で行ってみてください。
おすすめの理由: 通常のロシアンツイストの効果に加え、枕を使うことで体幹への負荷がさらに高まるからです。
これらのエクササイズを継続して行うことで、筋力や柔軟性、持久力の向上が期待でき、生活の質の改善にも役立ちます。週に少なくとも3回、できれば5回行うことをおすすめします。週5回という目標は、それほど難しくありません。毎朝、手の届くところに枕があるはずですから、目覚めたらそのまま運動を始めれば、後からやる気を奮い立たせる必要もありません。ぜひ無理のない範囲で続けてみてください。
この記事で表明された見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。
(翻訳編集 井田千景)
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