育児補助金を申請した直後に詐欺電話を受けた新生児の母親、2025年9月下旬、広東省・深セン市(スクリーンショット)
市民の間に広がる「政府内部流出」疑惑

育児補助金申請直後に詐欺電話 個人情報流出はどこから?=中国

広東省・深セン市で育児補助金を申請したばかりの母親に、子どもの誕生日や身分証番号まで把握した詐欺電話がかかってきた。同省の広州など各地でも同様の被害が報告されている。

母親たちは、公式の申請プラットフォームに資料を提出してからわずか数日で、詐欺師から「審査員」を名乗る電話を受けたという。相手は補助金の額や家族構成まで正確に言い当て、アプリのダウンロードや口座確認を迫った。「政府機関がこんな電話をするはずがないと分かっていたが、情報が一瞬で流出するのが恐ろしい」と母親たちは言う。

9月10日、企業向けのサイバー防御支援を掲げる中国の反詐欺企業「威脅獵人(Threat Hunter)」が発表した報告によると、2025年8月以降、違法なデータ取引市場で「新生児データ」の流通量が急増しているという。調査の結果、販売されているデータの多くは育児補助金制度を導入している四川省、広東省、河南省、浙江省などの地域に集中しており、販売者は「政府内部の関係者から入手した安定したルートがある」と語っていた。

▶ 続きを読む
関連記事
中国の夜空でドローンが「謎の霧」を散布。十数省で相次ぎ報告され、焦げた臭いに住民が騒然。当局は沈黙したまま…何が起きているのか。
中国の鉄鋼業は不動産不況やインフラ投資減速により縮小傾向。2025年までに鉄鋼輸出が5割減少すると指摘している
小野田紀美科学技術相は5日の記者会見で、南鳥島沖で進められる国産レアアース採掘に向けた深海試験について、「我が国の経済安全保障上、極めて重要な取り組みだ」と述べ、研究開発への期待を示した。
中共外交部の報道官が数日間にわたり、サンフランシスコ平和条約(1951年)の合法性を否定し、国際法上の効力を持つのはカイロ宣言とポツダム宣言であると強調したことが、国際社会や法学界で議論を呼んでいる。日中間で「台湾有事」をめぐる外交的緊張が高まるなか、事態は新たな局面に入った
中国河南省で転落事故後に死亡した14歳少年の臓器提供を巡り、母親が「手はまだ温かかった」と疑念を示した。死亡判定や手続きの透明性にネット上で関心が高まり、事例は国内で波紋を広げている。