【ニュースレターが届かない場合】無料会員の方でニュースレターが届いていないというケースが一部で発生しております。
届いていない方は、ニュースレター配信の再登録を致しますので、お手数ですがこちらのリンクからご連絡ください。

白内障ケアに役立つ? 中医学の“眼エクササイズ”

白内障は眼科でよく見られる病気のひとつで、統計によれば失明の最大の原因となっています。しかし現代では、白内障は人工水晶体嚢手術によって視力を回復させることができます。

白内障は主に50歳以上の高齢者に多く見られ、両眼に発症する疾患で、前後して現れることがあります。発病から成熟までの期間は数ヶ月から数年とさまざまです。現在では長時間電子機器を使う人が増えており、それにより若者の白内障の割合も年々高まっています。
 

白内障の症状

白内障の初期症状では、目の赤み、腫れ、痛みはありませんが、視界が少し暗く感じたり、目の前に固定された点・線・円盤状の影が見えたりします。また、灯りや月を見ると複数に見えることがあります。さらに、明るい所では見えにくく、暗い所ではよく見える、近くははっきり見えて遠くはぼやけるといった症状も現れます。重症になると、太陽・月・星の光だけがかろうじて見える状態になる場合もあります。
 

現代医学における白内障の原因

現代医学の研究によれば、白内障は主に以下の要因と関係しています。

1. 電磁波の放射

研究によると、ほぼすべての波長の電磁波による照射は水晶体にダメージを与えます。水晶体は少量の照射でも繰り返されることで累積効果があり、損傷が進みます。したがって、長時間電子機器(特にスマートフォン)を使用する人は白内障になりやすいとされています。

2. 地理的要因

長期間にわたり紫外線を浴び続けると、核性白内障の発生が加速します。たとえば、日照時間の長い地域では、老人性白内障の発症率が日照時間の短い地域よりも明らかに高くなります。発症率は緯度が高くなると低下し、標高が高くなると上昇します。つまり、南方は北方より発症率が高く、高山は平地より高い傾向があります。

3. 喫煙

4. 高血圧

5. 糖尿病

6. ステロイド薬の使用
 

古代中医学における白内障の原因と予防法

白内障の治療や健康法は、古代の養生書にも記されています。明代の『養生類要』には、目を運動させて白内障を除く方法が載っており、その原因と治療法についても詳しく述べられています。

「熱を受け、気を損ない、肝虚・腎虚となることで、目がかすみ、白内障が生じる。長く放置すれば失明に至る。毎朝起きた時に、あぐらをかいて静かに息を整え、目を閉じ、両目を14回回転させ、しばらくしっかり目を閉じてから、突然大きく目を開く。これを長く続ければ、内障・外翳(うわひ)は自然に消える。色欲や細かい字を読むことは控えるべきである」
 

白内障予防のための眼の体操

多くの人は、白内障が成熟してしまえば手術をするしかないと考えています。筆者が診た50代の女性患者は、右目の重度白内障で、瞳孔に銀白色の雲のような翳りがあり、まるで霧の中の花を見るように何も見えない状態でした。

この方は半年間イタリアに滞在する必要があったため、筆者は簡単な眼球保健体操を教え、できるだけ繰り返すよう伝えました。その結果、半年後には右目の白内障が完全に消え、イタリアの眼科医も非常に驚いたそうです。この患者さんはとても聡明で熱心だったので、海外で筆者が伝えた体操を自分なりに改良し、より良い効果を得られました。ここに彼女が報告してくれた方法を公開し、縁ある読者の参考になれば幸いです。

承泣のツボ、瞳子髎のツボ、絲竹空をマッサージすることで、目の気血循環が促進され、頭の緊張した神経もリラックスします。風池のツボのマッサージは、頭部のエネルギー通路を開き、体全体の気血エネルギーを頭部に巡らせます。(中医師 呉国斌 提供)
  1. 両手の親指で風池のツボを36回マッサージします。
     
  2. 両手の10本指で、前髪の生え際から後ろの髪の生え際に向かって36回梳くようにします。

    【1、2の動作は準備運動で、頭部のエネルギー通路を開き、体の気血が頭部に巡りやすくなります。】
     

  3. 両目を閉じ、時計回りに14回、次に反時計回りに14回回します。
     
  4. 強く目を閉じて5秒間キープし、その後一気に大きく目を開きます。これを3回繰り返します。

    【3、4の動作を2回繰り返します。この方法は古くからのやり方で、あらゆる眼病に有効な基本の保健法です。】
     

  5. 両手の人差し指を下まぶたの骨と眼球の間のすき間に入れ、内側から外側へ向かってやさしく押さえます。これを5回繰り返します。
     
  6. 両手の親指を上まぶたの骨と眼球の間のすき間に入れ、内側から外側へ向かってやさしく押さえます。これを5回繰り返します。

    【目の周りは「眼科八卦」と呼ばれる部位で、やさしく押すことで眼病の治療だけでなく、五臓六腑の調整にも役立ちます。】
     

  7. 両手の人差し指と中指で眉毛の上端(眉骨)を内側から外側へ優しく36回マッサージします。
     
  8. 両手の人差し指と中指を眉の中央から額の生え際に向かって下から上へ36回優しく摩擦します。

    【眉骨には眼神経の分枝――滑車上神経と眼窩上神経が分布しており、7・8のマッサージは眼神経を刺激して目をはっきりさせます。ただし軽く摩擦するだけでよく、力を入れすぎると逆効果です。】
     

  9. 両手の人差し指で目の下のくぼみ(承泣のツボ)を36回軽く押します。

    【承泣のツボは足陽明胃経の起点であり、気血が豊富なので、マッサージすることで目の気血循環を強化できます。】
     

  10. 両手の親指で目頭の上部の筋(晴明のツボと攢竹のツボの間)を36回揉みます。

    【多くの目の不調(特に強度近視者)はここに筋の塊があり、これをほぐすことで目の内側の気血循環が改善されます。】
     

  11. 両手の人差し指と中指で、瞳子髎のツボ(目じり外側のくぼみ)と絲竹空のツボ(眉尻外側のくぼみ)を同時に36回マッサージします。

    【瞳子髎のツボは足少陽胆経の始点、絲竹空は手少陽三焦経の終点です。これらをマッサージすると目の外側の気血循環が良くなり、頭部両側の緊張した神経もリラックスします。】

目と五臓六腑はつながりがあると考えられています(提供:医道心伝)

上記のマッサージは、朝起きたとき・昼休み・寝る前に各1~2回行ってください。時間がある場合は、より多く行うほど効果が高まります。

眼のマッサージ体操のポイントは、行う時に「心身ともに完全にリラックスする」こと(急いで行うと効果が低い)、そして「根気よく続ける」ことです。そうすれば効果が現れます。
 

マッサージの参考動画はこちら(中国語):

(翻訳編集 里見雨禾)

 

呉国斌
心医堂漢方医院院長